香川県議会 > 2020-11-11 >
令和2年[閉会中]県立体育館整備等に関わる特別委員会[総務部等] 本文 開催日:2020年11月11日

  • "環境基準値"(/)
ツイート シェア
  1. 香川県議会 2020-11-11
    令和2年[閉会中]県立体育館整備等に関わる特別委員会[総務部等] 本文 開催日:2020年11月11日


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 氏家委員長  これより議題の審査に入ります。  本日は、参考人として、株式会社ハンズオン・エンタテインメント代表取締役社長菊地哲榮様、株式会社ハンズオン・エンタテインメントライブコンサートプロデューサー中本敦様、株式会社クインテット代表取締役小名拓也様、株式会社デューク代表取締役社長玉乃井欣樹様及び株式会社デュークプロデューサー定家崇嗣様に御出席いただいております。  事務局より簡単に参考人のプロフィールを紹介させます。 中井議事課長  失礼いたします。  本日の参考人の皆様を紹介させていただきます。  菊地様は、大学を卒業後、渡辺プロダクションに入社され、数多くのアーティストのマネジメントと新人発掘を担当されました。昭和53年に独立し、現在のハンズオン・エンタテインメント代表取締役に就任され、数多くのコンサートを手掛けてこられました。  株式会社ハンズオン・エンタテインメントでは、コンサート、イベント、イベントグッズなどの企画・制作及びコンサートホールイベント会場の指定管理などを行っておられますが、本日は、同社のライブコンサートプロデューサーの中本様にもお越しいただいております。  また、株式会社クインテット代表取締役であり、舞台監督でもいらっしゃる小名様や、四国のイベンターであります、株式会社デューク代表取締役社長の玉乃井様、プロデューサーの定家様にもお越しいただいております。  本日は、これまでの御経験に基づき、四国という地理的要件の中で、新県立体育館が、多くのプロモーターやアーティストから選ばれるためには、機能性や利便性などの観点から、どのような整備や設備が必要であるのか、貴重な御意見をいただけるものと考えております。  以上です。 氏家委員長  この際、参考人に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、お忙しい中にもかかわらず、急遽、本委員会のために御出席をいただき、誠にありがとうございます。委員会を代表して、心からお礼を申し上げますとともに、忌憚のない御意見をお聞かせくださいますよう、よろしくお願いいたします。  次に、本日の議事の進め方について申し上げます。  本日は、まず、参考人からの意見陳述と質疑を行い、休憩の後、執行部に対する質疑を行いたいと存じます。  なお、参考人の意見陳述については、最初に参考人から御意見を述べていただき、その後の質疑と合わせて、2時50分までと考えておりますので、効率的な委員会運営に御協力をお願いいたします。  それでは、参考人の皆様、お願いいたします。御着席のまま御意見をお述べください。 菊地参考人  ハンズオン・エンタテインメント代表の菊地と申します。本日はお招きくださいまして、ありがとうございます。皆さんの御要望や御質問にできる限り誠意を持ってお答えしたいと思いますので、よろしくお願いします。  新香川県立体育館施工に関するレポートの2ページですが、岡山県にも近く、中四国の中心とも言うべき、この高松市に、7,000人を超えるキャパシティーを持つアリーナができることを、我々コンサート業界イベント業界の者として切望しています。また、アリーナ施設を、スポーツだけではなく、ライブエンターテインメントと合同で経営していくこと、この2つの稼働がうまく相まることが、今、注目されています。  特に、一般社団法人日本トップリーグ連携機構一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の連携で、昨年、ECSAができました。会長は、Jリーグの初代チェアマンの川淵三郎さんです。スポーツとライブエンターテインメントが運営で協力し、融合して行っていくことがポイントではないかと思っています。  さて、今、ライブエンターテインメント業界はどうなっているかということですが、観光業界では、Go To トラベルやGo To Eatなどのキャンペーンが既に進んでいるのですが、ライブエンターテインメント業界は一番後回しになっています。今、お客様については50%のキャパシティーです。野球場は既にキャパシティーの緩和が始まっていて、3分の1、半分、それから、7割、8割への緩和が迫っていて、この前、横浜スタジアムでは満員に近い形で実証実験を行っています。
     ライブエンターテインメント業界は、クラシック音楽コンサートは100%のキャパシティーでも大丈夫ですが、実際は、100%は入れていない状態です。なおかつ、我々は、50%のキャパシティーで行っています。直近では、東京ドームで、THE YELLOW MONKEYのコンサートを50%のキャパシティーで行ったのですが、8000万円の赤字です。でも、やり続けなければいけないと思って、みんなしています。その対応策として、一つには、皆さん御存じのように、ネットワークで見る、リモートライブがあります。サザンオールスターズが数か月前に、リモートライブを行い、18万人が視聴チケットを購入しました。ただし、1回だけしかできないのです。しかも、一人約3,500円で18万人が視聴チケットを購入したのですが、とても採算が採れるものではありません。それでも、採算を度外視してでも前へ進めなければいけないので、しているのです。  もう一つ大事なことは、この体育館が竣工するのが2024年だということです。我々は、2024年には既に新型コロナウイルスのワクチンができて、新型コロナウイルス感染症インフルエンザ並みになって、お客様を100%入れることができるだろうといったことを大前提として、今、話をしています。もし、そこまで感染症対策が進まず、収容人数の50%しか入れないということであれば、このアリーナだけではなく、全国でのアリーナツアーが行われません。  次に、弊社の紹介です。  皆さんにお配りした封筒の中に、弊社の詳細な会社案内がありますので、一読していただきたいと思っています。  弊社は4つの事業から成っています。  1番目ですが、ユーミン、ケツメイシ、星野源、WANIMA、森高千里などのビッグアーティストで、北は北海道から南は九州・沖縄まで、全国40か所でのツアー、20か所でのアリーナツアー、ドームツアーなどのコンサートツアーを制作しています。高松においては、DUKEさんと協力し合ってコンサートを進めています。  2番目ですが、コンサートツアーだけではなく、ディナーショー会館自主事業、学園祭、企業のイベントなどの、いわゆる単発イベントも行っています。  3番目ですが、我々のビジネスの中心は、コンサートツアーだけではなく、マーチャンダイジングもあります。この2本柱でビジネスをしています。マーチャンダイジングについては、弊社は、ここに書いているアーティストで行っていますが、特に、夏や暮れのロックフェスティバルの大体9割を、我々のマーチャンダイジングセクションが行っています。北はライジング・サン・ロックフェスティバルとか、関東ではロック・イン・ジャパン・フェスティバルなど、いろいろとあります。  4番目ですが、ホール・会館の指定管理業務を行っています。広島市文化交流会館は、コンサートホールで2,000人を収容できます。それから、ホテルや結婚式場もあります。あとは、千葉市美浜文化ホール、千葉市若葉文化ホール、千葉市千城台コミュニティセンターなどの指定管理業務も行っています。  それでは、弊社の今までのアリーナでの公演の経験についてです。30年前に横浜アリーナが開館しましたが、ユーミンのコンサートこけら落としを行いました。それから、関東のアリーナの両巨頭のひとつで、稼働率が80%から90%に近いところである、さいたまスーパーアリーナでも、今から20年前の2000年に、こけら落としを行いました。そのときの公演の映像を見ていただき、その後、弊社のアリーナアーティストのステージの状況を御覧ください。  それでは、映像を流していきます。  これは、火の鳥というミュージカルです。埼玉県人である蜷川幸雄さんの演出で、2,000席で、さいたまスーパーアリーナこけら落としを行いました。  ここからは、弊社のアリーナができるアーティストたちです。  皆さん、お分かりになりますか。これは、WANIMAという熊本県出身で、ドームやアリーナクラスコンサートができるアーティストです。  これは、皆さん御存じの星野源です。  これは、ユーミンの去年のステージです。昔は本物の象を出したことがありますが、これは作り物の象です。弊社は、ユーミンの全国ツアーを40年間ぐらい続けて行っています。これは、久しぶりにセンターステージで行っています。  そのほかに、ケツメイシというアーティストがいます。このアーティストアリーナツアーができます。  それでは、お手元の資料に戻ります。  弊社の紹介をさせていただきましたので、次のページに行きます。  このレポートを制作した担当者の一覧です。舞台施工に関しては、株式会社シミズオクトが担当しました。音響に関しては、有限会社パブリックアドレスが担当しましたが、こちらは、今、サカナクションや、先ほど映像にも流れたWANIMAの音響をやっています。照明・電源に関しては、有限会社トゥーオーテイクデザインが担当しましたが、こちらは、ミスチルや桑田佳祐を担当しています。運営に関しては、弊社の中本が担当しました。中本はケツメイシやWANIMAのほか、ここには書いていませんが、ジャニーズ系アーティストも担当しています。ジャニーズには、関西出身グループの関ジャニなどいろいろいます。マーチャンダイジングに関しては、弊社の青山が担当しましたが、あとでレポートにも出てきます。  それでは、舞台施工、音響、照明・電源を、全部まとめて、株式会社クインテットの小名さんに説明していただきます。  小名さん、よろしくお願いします。 小名参考人  舞台監督の小名です。よろしくお願いします。  レポートの制作担当ではありませんが、本人に代わって説明します。  まず、舞台施工に関してです。  1番ですが、場内のアリーナ面から天井までの高さに関しては、20メートル以上あることが望ましいと考えています。  2番の、つり点の荷重に関しては、30トン以上あることが望ましいと考えています。横浜アリーナや大阪城ホールなどと同規模となっています。アリーナでは最大クラスになる、さいたまスーパーアリーナなどでは100トン程度の荷重となっています。  3番と4番は、床面に関してです。床面はコンクリート床の通常仕様と伺っていますので、3番と4番に関しては、クリアしていると思っています。  5番の、搬入口に関してです。アリーナ面に2か所以上の搬入口があることが望ましいと考えています。その際、キャスター移動の機材を使用することがとても多いので、段差のない状態がとてもすばらしいと思われます。  6番ですが、場外の荷さばき場所として、11トントラックが4台以上転回できるスペースがあると利便性が高いと考えています。  7番ですが、仮設座席の施工は、主催者または施設指定管理者が望ましいと考えています。  8番ですが、椅子等の備品は、施設の附帯設備として常設されていることが望ましいです。  9番と10番に関しては、先日、SANAA設計事務所と打合せをして、クリアになった部分です。  9番ですが、床面はコンクリート床が通常仕様ということなので、速やかな設営が行えると考えています。  10番ですが、暗転用の遮光カーテンに関しては、電動であり、所要時間は二、三分とお伺いしましたので、設営に時間的な支障はないと考えています。  スライドを進めていただいて、音響関係へと続けていきます。  1番ですが、場内の天井は化粧天井ではなく、躯体天井面に吸音を施します。  2番ですが、床面以外の壁面に吸音を施します。  3番ですが、施設内に常設されている大型広告看板などは反響を生みます。また、ステージ上に設営される各種持込みのセットでの看板などは、スピーカーの音が出るほうとは逆に設置されますので、この問題点の対象外になります。  4番ですが、反響の影響が考えられる場合は仮設の吸音幕をつるす場合があります。  5番ですが、会場の状態で持込みの音響機材はプランニングされるのが通常です。  6番の、スピーカーをつるために、ステージ側左右に荷重6トン程度のつり点が必要ということに関してです。先ほどの全体重量とはまた別の部分です。  7番の、つり点はY字方向のブライダルという欧米の手法は望ましいということに関してですが、これは専門的な部分なので、説明は割愛させてください。  7ページの、照明・電源に関してです。  1番ですが、場内が暗転できる環境が必ず必要です。  2番ですが、ピンルーム及びピンスポットは常設されていることが望ましいと考えています。  3番ですが、ピンルームのレイアウトに関しては、自由度が高く、かつ、電源が近くに整備されていることが必要だと考えています。  4番の、機材のアクセスルートに関してです。スタンドやキャットウオークなどへのアクセスルートについては、大型エレベーターなどが設置されていることが望ましいと考えています。  5番の、照明用のサスバトンはステージを設置する位置に合わせて常設ということに関してです。常設のバトンに関しては、各ステージのレイアウトに合わせて常設されていることが望ましいと考えています。  6番の、客席内にもサスバトンがあると便利ということに関してです。これは客席内のお客様への照明などの設置で使う用途が多いと思っています。私たちはバトンと呼んでいるのですが、照明をつるための昇降する棒状の設備です。そのサスバトン全てに調光回路と電源が附属していると利便性が高いと考えています。  8番の、客電のフェードイン、フェードアウトに関してです。これは作業灯またはお客様の入場時の常設の照明で対応する場合が多いのですが、明かりがオン、オフで100、ゼロに切り替わる場合とフェードで切り替えることができる場合があります。これについては、フェードできるほうが望ましいと考えています。  9番の、コンサートなどでは水銀灯よりも点灯、消灯が早くできるLEDがよいということに関してです。水銀灯の場合、一度消灯しますと、再度点灯するのに時間がかかりますので、LEDの設備がある会場のほうが利便性は高いです。  10番ですが、これは照明機材に限らないですが、大量の空きケースが出ますので、これを収納できる場所が必要だと考えています。  11番ですが、コンサートでは機材は全て持ち込む場合がほとんどのため、大容量の電源が必要です。  次も電源に関してですが、12番の、ステージ背面側に仮設電源盤があると便利ということに関してです。ステージ側で電気を使うことが多いので、ステージの背面側にあるほうが利便性が高いと考えています。  13番の、公演時の非常灯の消灯ができれば演出に効果的ということに関してです。通常、コンサートは、非常灯を消灯して行うことが多いと思います。  14番の、電源車が必要な場合はステージ近くに駐車位置を確保ということに関してです。会場の電源だけでは全てを賄えないことが多いので、アリーナクラスの会場でしたら、私たちが電源車を持ち込みます。それも、先ほどと同じ理由で、ステージ側に車をとめることができれば利便性が高いと考えています。 中本参考人  ハンズオン・エンタテインメントの中本と申します。よろしくお願いします。  私からは、8ページからの運営という項目に関して、資料に沿って簡単に説明します。これまでの説明と若干重複するところもありますが、運営周りに関しての補足説明をします。  1番の、最大キャパに合わせた会場既存の椅子を常設ということに関してです。これについては、公演を行うごとに外部から椅子を持ち込むケースもあるのですが、会場に常設の仮設椅子があることによって、基本的なレイアウトが設定できることや、搬入搬出にそれほど手間がかからないといった利便性から、各アリーナで常設いただくケースが多くなっていますので、検討していただきたいと思います。  2番の、椅子や備品を収納する倉庫に関してです。こちらについては、図面を拝見すると、器具庫などがあることは確認しています。  3番の、舞台機材の空ケースが収納できるスペースに関してです。こちらについては、後ほど、小名さんからも説明があると思いますが、施設内の器具庫以外のどこかの場所を使用させていただく可能性があると考えています。  4番の、ツアートラック駐車場に関してです。アリーナツアーを行う場合、30台ほどのツアートラックが稼働していて、このトラックで持ってきた機材をアリーナ内に仮設してステージを作らせていただいています。この30台ほどについては、ツアーの規模によって変わってきて、だいたい20台から35台ぐらいだとは思うのですが、この駐車場がどうしても必要になります。施設の中に駐車場があると、利便性としては助かりますが、ない場合に関しては、会場からのアクセスがよいところに別の駐車場を手配するケースがあります。こういった場合は、現地運営のDUKEさんなどに協力をいただいて手配をお願いすることがあります。  5番の、入場口はできるだけ多い方が客出しがスムーズということに関してです。7,000人のお客様を案内する場合には、入場口及び出口に関して、扉はできるだけ多いほうがスムーズに案内できます。特に、退場時に関しては、一気にお客様が出口に向かいますので、扉が多いほうがお客様の退場がスムーズに行われると考えています。  6番の、一つの入場口でアリーナ、スタンド両方へアクセスができる導線に関しては、基本的には、入り口に関しては1か所のほうが、お客様の案内もスタッフの配置もスムーズに行えますので、1か所からアリーナ面及びスタンド面へアクセスができるような入場口を設置できることが理想的です。  7番の、入場前のお客様を整列させるスペースが必要ということに関しては、会場周辺の図面を拝見していますが、多目的広場など、スペースは比較的あると思うのですが、それでも7,000人が一気に来た場合には、さらに、サンポート側や道路のほうなどに、整列するスペースを確保することを検討しなければいけなくなるかもしれません。これについては、後ほど、DUKEさんに補足説明をしていただきたいと思っています。  8番の、お客様整理用プラスチック柵に関してです。これは持込みの場合が多いのですが、数千人のお客様を案内するに当たっての、整列用のプラスチックの柵です。蛇行させたりすることもありますし、お客様が入れないエリアをこの柵などで区切ったりすることもありますので、こういった備品に関しても使用させていただくことになると思います。  9番の、物販が可能なスペースの確保に関してです。理想的なのは屋内か、屋根があるところになりますが、メインアリーナの横のサブアリーナや、多目的広場など、状況に応じて、物販が販売できるところを借りたいと考えています。  10番の、暗い中でも見やすい座席番号、通路表記に関してです。こちらの施設に関しては、アリーナが暗転した場合に交流エリアも同時に暗転することになると思います。そういったときに、お客様が入場口やトイレへアクセスするための通路表記などが必要になってくると思われます。  11番の、開演中の扉の開閉でも明かりが差し込まない遮光環境に関してです。こちらの施設では、遮光カーテンがあると伺っています。  12番の、持込みごみの廃棄対応に関してです。これに関しては有料になるのでしょうか。コンサートでは、お客様のごみ以外に、スタッフ側のごみも多数出ますので、そういったものの廃棄方法についても会場側で指定いただけば助かります。  13番の、テーブルや椅子、可動型ホワイトボード、姿見などの貸出備品の常設に関してです。こちらについては、会場にあるものを、その都度、附帯物としてお借りする形で検討していただきたいと思っています。  14番の、場内での飲食の制限に関してです。これは、ケース・バイ・ケースだと思うのですが、場内の売店などで飲食物を販売した場合に、それをアリーナ内に持ち込めるのかどうか。そういったことの判断が、この施設の場合は会場なのか、主催者なのか。飲食の制限に関しては、ある程度、ルールとして決められると思います。  運営2、諸室に関してです。  1番の、本部機能を持った諸室が必要ということに関してです。警備モニター、照明管理、アナウンスシステム、臨時電話など、こういった諸室を1部屋設けていただきたいと思っています。  2番の、スタッフが待機できる大部屋が必要ということに関してです。これについては、割と広めの会議室や、選手ロッカー室のようなものを使用させていただくことになると思っています。  3番ですが、諸室周りの廊下は、機材や大型衣装ケースなどが通るため、段差はないほうが望ましいです。  4番の、フロアを移動するための大型エレベーターが必要ということに関してです。機材をスタンドまで運んだりするために、先ほども話がありました大型エレベーターが必要になってくると思います。  5番の、アーティストが使用する諸室内にシャワーとトイレを完備ということに関してです。こちらの施設に、シャワーやトイレが設備としてあることは確認しています。  6番の、全ての諸室にWi-Fi完備ということに関してです。昨今、皆さん、パソコンなどを持ち歩きますし、アーティストもWi-Fiを使うので、スムーズなWi-Fi環境が設けられていると助かります。  7番の、諸室方面に喫煙スペースを用意ということに関してです。最近、全館禁煙という施設が多いのですが、アーティストで喫煙される方も多く、アーティストが楽屋の外に出て喫煙するケースもありますので、喫煙スペースアーティスト諸室側にも設けていただきたいという希望があります。  10ページ、運営3、その他に関してです。  1番の、スタンディングライブへの対応に関してです。椅子を並べたコンサートが基本的なレイアウトになると思うのですが、ロックバンドを誘致するケースなどでは、スタンディングライブを希望するケースがあり、そういった場合には、バリケードを外部から持ち込んで公演を行っています。ですから、スタンディングライブができるという前提で、アリーナの下がコンクリート面であれば問題ないと思うのですが、対応できる躯体や会場設備であることが望ましいと考えています。  2番の、24時間搬入搬出ができる環境に関してです。深夜作業がどうしても発生しますので、その間に搬入搬出ができることが望ましいと思われます。  3番の、会場側のお客様問合せ対応に関してです。基本的には、主催者が問合せを受けていますが、まれに会場のほうに問合せが入るケースがあります。  4番の、会場側でのクレーム対応窓口の設置に関してです。これも、基本的には、主催者側がクレーム対応を行っていますが、まれに会場のほうにクレームが入ることがあります。  5番の、会場側と、警察、消防との連絡系統に関してです。道路使用許可申請や消防関係の申請などを、会場や主催者が行っていくことになっています。  6番の、会場側と、交通機関との連絡系統に関してです。高松駅などから大勢のお客様がいらっしゃるときや高松駅などに帰られるときに、駅までのアクセスや、まれに、臨時の電車を出したりといったことも、鉄道会社と連携して行うことがあります。  続いて、マーチャンダイジングに関してです。  1番の、交流エリアでの販売は、リハーサル等舞台進行の関係で不可とありますが、これについて簡単に説明しますと、場内でコンサートのリハーサルの音を出している場合に、交流エリアで販売すると、リハーサルの内容がお客様に伝わってしまいますが、そういったことをアーティストは嫌います。私は、場所をいまいち把握できていませんので、これについては、後ほどDUKEさんに説明していただきたいと思っていますが、基本的には、場内で音が出ているときに、交流エリアにお客様を入れることは難しいと思われますので、サブアリーナ多目的広場、シンボルタワー1階の展示場などの施設の利用を検討できればいいと思っています。  それから、マーチャンダイジングに関しても、大量の荷物を運んできますので、物販やマーチャンダイジング用の在庫用大型車両の駐車場の確保も必要になります。この駐車場に関しては、できるだけ会場に近いほうが助かります。 菊地参考人  11ページ、12ページ、13ページは、とても専門的で詳細なレポートなので、説明を割愛します。  ここで、現地の運営、会場管理、当日の会場運営に関して、DUKEの玉乃井社長と定家さんに説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。 玉乃井参考人  株式会社DUKEの玉乃井です。本日はよろしくお願いします。  弊社も約50年、四国でコンサートの企画運営を行ってきました。また、20年前から、国営讃岐まんのう公園で、MONSTER baSHという野外フェスティバルを開催しています。また、ハンズオン・エンタテインメント様とも創業当時から四国エリアの応援を業務として行っています。  愛媛県や徳島県では5,000人規模のコンサートができていたのですが、今回、7,000人規模の会場が高松市にできるということで、中四国で最大級の会場になると思います。四国の玄関口である高松市の主要駅に直結している利便性のよさは、ほかの施設にはないと思いますので、この施設の早期完成を望んでいます。  現地のことに関しては、現場を担当している定家から説明させていただきます。 定家参考人  同じく株式会社DUKEの定家と申します。よろしくお願いします。  中四国で最大のキャパシティーで、瀬戸内海を挟んで多くの近県からアーティストを呼べるということで、私たちも早く完成するのをすごく望んでいます。先ほど、弊社の玉乃井が申し上げたとおりで、MONSTER baSHというイベントを夏に国営讃岐まんのう公園で開催していて、その際に、高松駅に5,000人を超える方が集まって、JR高松駅と、ことでん高松築港駅で分散して満濃まで運んでいるといったことを毎年行っているのです。5,000人というキャパでしたら、今のところ高松駅付近で何とかやりくりができているのですが、これが7,000人になるというところと、先ほど中本さんもおっしゃったとおり、音の問題があって、高松駅の北側の住宅があるところの住民からの理解といったところがあります。また、音の問題だけでなく、当日に何千人もの方がサンポートエリアに来ることにより、渋滞していて車が通りにくいとか、街の美化として、ごみを捨てるようなことがなく、7,000人がうまく会場に入れて、そして、帰っていただく作業に努めていきたいと思います。その点で、お客様がたまる場所が重要になってくると思います。多目的広場は、完成予定場所の南側にあるのですが、今、いろいろな催しをしていたりして、二、三千人が集まっているといったこともお聞きしているので、ここをうまく活用して実施していきたいと思っています。  あわせて、これは市の施設ですが、サンポートのホール棟の1階に展示場があって、私たちもまだコンサートを行ったことはないのですが、イベントでは何度か使用した経験があり、ここでコンサートグッズを売ったりすることは十分可能だと思うので、サンポートの施設も併せながら、新しいアリーナをうまく回していきたいと思っています。
     駐車場に関しては、通常のコンサートのときにお世話になっている駐車場であったり、サンポートの北西側にも10台ぐらい置けるスペースがあったりします。会場との行き来が出てしまうので、私たち運営側としても、大型トラックを会場に置くための駐車場は確保してほしいと思っています。  そして、高松駅という四国の玄関口が近くてアクセスがよく、すごく利便性が高いと思っているので、それを生かした運営を考えていきたいと思っています。 菊地参考人  それでは、先週、SANAA事務所をお伺いして、模型を見せていただいたので、その検証報告をします。  お配りしている資料を御覧ください。  SANAA模型見学による検証報告ですが、ライブ・コンサート仕様に特化したレポートです。これが模型です。これがメインアリーナで、これがサブアリーナで、これが武道場でしょうか。全体としてはこのような形です。このようなひょうたん形の屋根です。これはマンションです。ここはウオーターフロントになっています。ここはなだらかなスロープになっています。これが多目的広場です。  それでは、SANAA事務所の担当者とのヒアリングを終えた感想ですが、世界的に有名な建築を手がけている会社らしく、とても丁寧な仕事をしているという印象でした。また、初期の体育館から総合的な多目的アリーナに変化したことに対して、各所へのリサーチを行い、よりよい施設とすることを目標にしていることを確認しました。我々の仲間である舞台制作施工会社のシミズオクトや日本ステージなどからヒアリングを行っているとおっしゃっていました。問題点や課題点を共有することで解決方法を共有していける設計事務所ではないかと思われましたが、デザインが先行しているのかもしれないということもあるので、機能性や利便性などに関して、このレポートで報告します。  それでは、小名さんに説明をお願いします。 小名参考人  ステージ設営に伴う課題のページと、その下の図面を、見比べていただきたいと思います。  この図面は、この会場で、私が舞台監督の目線で施工を行ったと仮定して、施工と機材のため場のプランを図面にしたものです。実際に、昨年、ケツメイシのツアーで舞台監督を担当していて、その物量の想定で作図してみました。結果として思ったことについてですが、トラックが入れることの利便性が高いです。ですが、トラックが入れる会場としては、アリーナ面が決して広い部類には入りません。トラック二十数台の機材をアリーナ面に割り振っていくと、このぐらい飽和する状況だということが分かりました。  これをどう回避していくかですが、ほかの会場に関していうと、まず、機材に関しては、キャスターがついて転がる機材と、キャスターがなく重くて人では持てない機材の2種類があり、主に重くて動かせないものを私たち大道具のセクションで多く負担します。この機材に関しては、可能であれば、場外でトラックを開いて、フォークリフトで作業を行いたいと思います。必要なものから順番に搬入口からフォークリフトで進入して場内に振り分けていくやり方をよくやっています。それが、この会場で可能なのかということが気になりました。  この図面から外れた、右下の切れている部分に、電源車・中継車臨時駐車スペースがありました。面積や距離でいえば、このスペースは使えると思いましたが、実際に、道路の段差がどうなっているのかとか、周辺の交通状況などが分からないので、使えるのであれば使っていきたいと思っています。  また、それが難しい場合、もしくは、天候が悪くて、外での搬入が難しい場合は、場内で作業をすると思うのですが、この図面が、まさにその状態です。搬入口の形や道路からの角度を見たときに、設計としては、もしかしたら図面の下側の搬入口から前進で進入して、図面の上側の搬入口を前進で出ていくことを想定しているのかと思い、紫のトラックは、11トンのサイズですが、そういった想定での車両の進入にしています。  ただ、これは理想の話になるのですが、下側の搬入口からも上側の搬入口からも進入できる、そして、周辺の交通状況や誘導の必要性も出てくると思うのですが、バックでの進入もできると、右下の搬入口からバックで入って、バックのまま、左の水色のトラックが止まっている位置で機材を降ろして、また前進して同じ搬入口から出ることができます。同じことを上側でも同時並行で行うことができれば、作業的にはとても効率がいいと考えています。ですから、道路からの進入について、前進後退、インアウトが全てできる状況なのかということが、使う側としては重要だと思いました。 菊地参考人  それでは、次のページです。その他課題となるポイントです。  こちらは、中本さんに説明していただきます。 中本参考人  それでは、こちらの課題に関して説明します。  まず、コンサートを行うことに関して、大前提として、遮音と遮光がどうしても必要になります。基本的には、暗転して、照明や映像の演出効果を重要視して作っています。遮音に関しては、実際に、どういった曲なのか把握できてしまうことをアーティストが嫌がることが多々ありますので、基本的には、アーティストが施設の中でやっていることが外に漏れないといった意味での遮音についても、できる限り、考慮していただきたいと考えています。  こちらにあるように、アリーナ内で通常のコンサートでは、105デシベル前後の音量を出します。これは設計事務所にもお伺いしたのですが、約50から60デシベル程度の音漏れは想定していると伺っていて、実際に、50から60デシベル程度の音が漏れるというのはどの程度かというと、コンサート会場の外周、建物の外側に立った場合に、楽曲がある程度認識できる音量になるのではないかということを音響の専門会社からの意見としていただきました。そういった場合に何が起こるかというと、音が漏れているということで、コンサートのチケットは取れなかったのですが、どうしても音が聴きたいというファンの方々が、その音漏れを目当てに敷地内に集まってしまうことが想定されます。そういった場合には、どうしても人払いや警備をつけたりといったことが必要になってきます。  また、開演しても、二、三十分は、遅れてくるお客様を案内するために、扉を一部開けた状態で公演を進めることになります。遮音幕などを出入口に設置していたとしても、扉が開いている状態でしたら、そこから50、60デシベル、もしかしたらそれ以上の音漏れも起こる可能性があります。また、リハーサルを行っているときも同様のことが想定されます。実際は、竣工してから音を出してということになるのかと思うのですが、この音漏れというところは、我々がお借りする際にも気になるポイントの一つになると思います。  とはいえ、こういったことは、ほかの会場でも実際に起きていて、例えば、日本武道館に関しても、コンサートを行っている建物の外側で聴いていると、何らかのコンサートを行っていることは十分認識できるぐらいの音は漏れていますし、場合によっては曲が判別できることもあります。日本武道館などでは、ジョギングや散歩をしている方などはいらっしゃいますが、近くに住居等はありませんので、近隣から音に関してのクレームなどはないのですが、ほかの施設の場合、会場によっては、そういったことが起こります。また、ライブハウスのような会場でも、そういった近隣からの音のことでのクレームなどはケースとしてありますので、音漏れに関しては、慎重に検討していただきたいと考えています。  それから、交流エリアに関してですが、こちらもSANAA設計事務所に伺った際に、模型や図面で簡単に説明していただいたのですが、先ほども申し上げたとおり、コンサートでは、基本的には完全暗転をして公演を実施します。アリーナ内を完全暗転するということは、交流エリアとアリーナが壁などで仕切りがされていない状態になっていますので、交流エリアも必然的に暗転されてしまいます。その場合に、公演中にお客様がトイレや、途中で退席して帰られる場合の案内に関して、足元灯や案内表示程度の明かりだと思うのですが、そういったものの設置の予定はあると伺っていますが、コンサートを行っている最中に、交流エリアで何らかの物品販売や飲食販売とか、何らかの申込み受付などをすることは難しいと想定されますので、コンサート中の交流エリアの使用に関しては、限られてしまうと想定されます。  また、お客様のアテンドに関しても、どの程度の明かりが設置されるのかといったところもありますが、暗いことによって何かにつまずいてしまったり、動線が分からなくなってしまったりすることはないようにしていただきたいと思っています。そういった状況の中で、こちらの施設を借りる側として、暗いと感じた場合には、仮設の足元灯や照明を設置することになってくると思いますが、できれば、竣工の段階で、お客様の動線の明かりなど、交流エリアとアリーナが、何らかの形で差別化的なことが行われていると好ましいと考えています。  3番の夜帯の作業時間の制限については、先ほど、別の項目でも触れました。  まず、1番を飛ばして、2番のトラックの搬入搬出についてです。こちらも、アリーナをお借りして搬入搬出や施工等を行う時間帯に関しては、我々としては、フレキシブルに使わせていただきたいというのが希望です。場合によっては、深夜0時からトラック10台の搬入作業を行わせていただきたいといった要望が出てくると思われますが、近隣のことや道路の使用のことなどの問題で、何時から何時までは搬入搬出はできませんといった制限がついてしまうことは、できるだけ避けたいと考えています。  それから、先ほど小名さんからもお話がありましたが、基本的には、場内での搬入搬出、積込み作業などになりますが、仮に、場外、道路側に出ての何らかの積込み作業が発生してしまう場合に、そういったことが可能なのかどうか。道路を使う場合などには、警察から道路使用許可を取って作業をするケースもまれにあります。  1番に戻り、音が出せる時間帯についてです。これについては、先ほどの、音のところで説明しましたが、50、60デシベルの音が漏れていると、周りの方や通行人の方に、コンサートなどを行っていることが認識されるような音が体感されてしまうと思います。音を出せる時間が何時から何時までといった制限があるのかないのか。こういったことは、作業効率やリハーサルの時間帯の確保などに制限が出てきます。音が出せる時間帯に関しても、極力長めの時間を希望したいと思っています。一番のポイントは、近隣の住民の方々とのことだと思います。 菊地参考人  地元の人への対応として、既存のアリーナではどのようなことをしているのでしょうか。オリンピック会場となる国立競技場の周りは、どのように対応しているのでしょうか。 中本参考人  基本的には音を出せます。国立競技場に関しては、屋根がなく音が漏れてしまいますので、基本的には音を出せる時間帯が決まっています。あとは、公演を行う日程を、2週間ぐらい前からポスティングして、何時から何時までこういったコンサートが行われますということを住民の方々にお知らせしているケースが多いです。 菊地参考人  それから、議会への確認事項と書いてありますが、これは、設計事務所への確認事項ではないという意味です。議会への確認事項なのか、施工主への確認事項なのかは、分かりません。  次は、予算に関わる提案です。説明をお願いします。 中本参考人  今、SANAA事務所で預かっている予算外の想定ということで聞いていただきたいと思います。ピンスポットに関しては、今、常設はないと聞いていますが、キャットウオーク上にピンスポットを置ける場所はあるというお話でした。そこに電源も用意されているそうです。ただ、ピンスポットはありません。SANAA事務所は、自分たちの範疇ではないということでしたが、基本的に、毎回持ち込んでいただいて仮設をしていただく前提だとおっしゃっていました。このピンスポットの仮設に関しては、地上25メートルぐらいのところに、何らかのモーターかレッカーで上げて設営して、また降ろすといった作業が発生するのですが、施工、撤去ともに危険を伴う高所作業となります。既存のほかのアリーナの場合でしたら、ピンルームというピンの設置場所があり、そこにピンスポットが常設として置かれているケースが多いので、ピンスポットは常設を検討していただきたいと思っています。  この場所に関しては、ステージができるところの反対側、客席側の天井上部のキャットウオークになると思います。ただ、レイアウトが、どうしても、センターステージや、別のところにステージを置くケースなどもあると思いますので、そういった場合には、スタンド席に仮設をするなどのケースも出てくると思っています。  もう一点、冒頭にも出ていましたが、アリーナ客席用椅子の常設に関してですが、基本的に、アリーナ面の椅子は仮設になると思います。先ほどのお話と重複しますが、外部から持ってきて設置して、また回収していくことに関しては、予算的なところにも時間的なところにも影響があります。会場内にアリーナに並べる椅子が常設されていることで、我々借りる側としては効率がよくなりますので、検討していただきたいと考えています。 菊地参考人  以上で、レポートに書いている報告を終わります。  DUKEさん、何か補足説明はありますでしょうか。 玉乃井参考人  最新の図面を見て気づいたことについてですが、出演者の控室が少ないのではないかと思いました。選手ロッカーが4つと大きい会議室ぐらいになるのですが、コンサートでいえば、できれば、VIPというか、個室が3つか4つぐらいあったほうがいいのではないかと思います。  あとは、来場者の待機場所、そして、入場時の導線や整列場所が厳しいのではないかと思っています。そのほかは大丈夫だと思います。 菊地参考人  以上で、我々の報告を終わります。  御清聴ありがとうございました。 氏家委員長  参考人の皆様、ありがとうございました。  以上で、参考人からの意見陳述は、終わりました。  これより質疑を開始いたします。 岡野委員  多岐にわたる綿密な調査を行っていただき、ありがとうございました。お礼を申し上げたいと思います。また、SANAA事務所にも模型を見に行っていただいたということで感謝しています。  とても分かりやすい説明で、この後で当局側に聞かないといけない、いろいろな課題が見つかったと思っていますが、念のために幾つか確認させていただきたいと思います。  まず最初に、今、お話を伺っていて、アリーナと交流エリアが一体化されているところが様々な課題を生むのかと思いましたが、どうなっているのが理想的だと思われますか。 中本参考人  交流エリアの使用用途をどのように考えているのかというところになってくると思うのですが、コンサートを行っているときに、交流エリアで、物販や何らかの販売、受付などを行う場合には、壁か何かで完全にセパレートされている状態が一番理想的だと思うのですが、今回、SANAA事務所にお伺いしたときに話を聞いた際には、どちらかというと、交流エリアとアリーナを一体化して、コンサートに限らず、そのほかのイベントや展示会、スポーツなど、いろいろな用途に活用できることを目標にしていると伺いました。コンサートのみでお話をしますと、暗転がどうしても必要になってきます。交流エリアとアリーナに関しては、何かで間仕切られているほうがいいのですが、アリーナの全体的な使用用途で考えた場合に、果たしてそれが適正なのかどうかについては、私どもでは判断し切れません。 岡野委員  また、先ほど、音漏れについても言及されていましたが、先ほどもおっしゃっていたように、交流エリアとアリーナの間仕切りがもう一つあったとすれば、音漏れに関しても軽減されるということでよろしいのでしょうか。  加えて、運営する場合に、アーティストやスポーツ選手もそうだと思うのですが、入場口から入ったら、すぐそこは会場ということで、セキュリティー面ではどのような懸念がありますか。 中本参考人  通常、交流エリアを使う場合、客席に入るところには、カーテンなどの仕切りしかないとお聞きしています。誰でも入れるような状況で、そういったカーテンだけだと、普通に客席に入られ、いたずらされたり、器物を壊されたりといったこともあると思いますので、セキュリティー面では、客席に入るのに扉があったほうがいいと思います。 岡野委員  そして、もう一つ、この体育館の特徴的なところはガラスで囲われていることですが、そうした場合に、先ほど、暗転の話が何度か出ましたが、遮光カーテンのみで真っ暗にできると考えていいのでしょうか。 玉乃井参考人  SANAA事務所からは、そのように説明を伺っていました。先ほどの資料にもありましたが、全てのガラス面に遮光カーテンを設置して、それは電動で二、三分で開閉できるそうです。隙間漏れの明かりなどはないのですかと伺ったのですが、100%ないという言い方ではなかったと思うのですが、ほぼなく、コンサートに影響が出るような明かり漏れはないということをSANAA事務所からお伺いしました。 岡野委員  今回、もう一つ課題だと思っているのは振動についてです。振動に対する不安もあると思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。 中本参考人  振動に関しては、お客様がコンサートを座って見ている分には影響はないと思うのですが、スタンディングライブ的なことを実施した場合には、想定していなかったことが起こる可能性があるかもしれません。ただ、床面がアスファルトやコンクリートになってくると、何かしら地下面に関してのくい打ちの作業によって軽減をすることができるのではないかと思っています。その辺りについては、専門家ではないので詳しくは分かりません。  ただ、スタンディングライブを実施した場合に、想定外のことが起こる可能性は否定できないです。 岡野委員  それでは、最後に、もう一回元に戻って、交流エリアとアリーナが一体型になっていることについてですが、明かりをどうしても真っ暗にすることは難しくて、何らかの形で出入りするときとか、お手洗いに立ったりする場合に、明かりをどうしてもつけなければいけないという状況は、アーティストからすると、やりにくい会場だという印象になってしまうのでしょうか。 中本参考人  どの程度の明かりが漏れてくるのか。漏れる場合は、スタンド席の上部だと思われるのですが、そこにどの程度の明かり漏れがしてくるかだと思うのです。足元を照らす程度の明かりであれば、影響なくできると思うのです。そこで、先ほどのお話になりますが、何かを販売するとか、お客様に対して何らかのサービスを行おうとした場合に必要な明かりということを考えると、多少なりとも気になる方が出るかもしれません。そこは、主催者側で、どういった明かり漏れをしない対策を練るかということになってくると思います。常設で売店が開いていたりする場合は、極力消灯していただくことはお願いすると思います。 岡野委員  これから後に、県の担当者たちと質疑応答をする際に、今、いただいた御意見をしっかりと反映させていきたいと思います。 竹本委員  アリーナを使用していくということで、設計業者とも打合せもしながら、このようにすれば便利だということで、椅子の話などいろいろとありましたが、皆さん方がこういったお話をする前に、この県立体育館は予算の上限が決まっていることを頭に入れて、予算の範囲内でできる提案をしてもらわないといけません。お金があれば幾らでもできます。そこのところだけは間違わないでほしいと思います。 菊地参考人  質問の意味が分かりません。予算などの都合を理解して言っているわけではないのです。外部に出ている情報として、総工費が180億円とか200億円というのは聞いていますが、我々は、ライブエンターテインメントにとってどうなのかという質問を受けたので、その質問にお答えしているだけです。 竹本委員  ピンスポットの常設などの話は、予算に絡んでくる部分があり、予算には上限があるので、あれもこれもと幾ら提案してもできませんという話です。それを言っているわけです。 菊地参考人  それは筋が違います。予算のことを考えるのは議会であり、県なのです。例えば、幾らぐらいの追加予算に関して考えてくださいというのであれば考えましょう。ですが、ピンスポットは幾らなのか、それは我々が考えることではないのです。 竹本委員  予算をはみ出してしまうのであれば駄目だということです。 菊地参考人  それは我々が考えることではないのです。 黒島委員  1点、教えてほしいのですが、横浜アリーナ等を私も見たのですが、この施設はコンクリートの床面という提案をしているのです。当初は体育館という話でしたから、今、お話があったように、スポーツ団体とも一緒になっていろいろと造っていかないといけないといったときに、有明アリーナなどでは床をコンクリートの上に置いていくのに膨大な費用や人員がかかるような話を聞いて、県教育委員会の体育関係者などが心配しているのです。私は、単純に、トラックの入るところだけをコンクリートにしておいて、あとは、今、言ったように、最近はいい集成材もありますから、強度を持った床面を敷いておいて、そこを補充するようにすれば、体育館として使うなどといったことはできると思うのですが、アリーナで、床面の上でコンサートを行った経験はおありなのでしょうか。 小名参考人  アリーナ面がコンクリートでなく、いわゆる体育館素材の会場もあります。その場合は、その床面の上に、厚みのあるベニヤなどを全面に敷き詰めて、その上に、さらに養生用のシートを敷き詰めての使用になります。その場合は、トラックは入れませんし、場合によっては通常のフォークリフトの使用もできず、トン数の低いフォークリフトのみの使用になります。 黒島委員  最近、いい集成材や硬い床面ができてきているように思います。福岡県に新しくできた体育館では、オートショーなどの開催も大丈夫だとおっしゃっていたのです。今の時代ですから、全面を敷き替えると大変な話になって、体育関係者、特にアマチュアの体育関係者などが心配しています。そういう中で、そういう経験があるのであれば教えてもらいたいと思います。 中本参考人  いわゆる体育館用の仮設フロアのことをおっしゃられているのでしょうか。 黒島委員  バスケットやバレーボールなどのプロスポーツ団体は、床そのものを持ってきますから、あまり心配していないのですが、アマチュア団体が全面的に使いたいという要望もあるものですから、うまくいかないかと思うのです。 中本参考人  我々は建築や建設などのプロではないのですが、多目的ホールとして使われているのが、さいたまスーパーアリーナ横浜アリーナなどだと思うのですが、そういったところに関しては、ケース・バイ・ケースで床面に養生シートを敷いたのみでトラックが進入できるケースもあります。最近の施設で言うと、横浜アリーナや、さいたまスーパーアリーナが使っている床面は、スポーツに対してどのような影響や効果があるのかは分かりませんが、多目的ホールとして柔軟に対応している設備になっていると思っています。 黒島委員  横浜アリーナは、トラックが入ってくるところだけが絶妙に入れるような形になっています。そして、客席が出てくるようになっています。 中本参考人  そういったことはできます。 黒島委員  東京オリンピックのために新しく整備された有明アリーナでは、床を張るのに大変な経費がかかったということがあって、特に、アマチュアスポーツ関係者が心配しているので、その辺りのことについて、私たちは考えないといけないと思っているのです。 中本参考人  そうです。エンターテインメントだけとか、スポーツだけとかというのではなく、多目的に使用されるアリーナが、最近は、全国で増えてきています。我々としても、そういったところを使用する際には、できる限り、トラックが入れて、フォークリフトが使えるといったことの要望はさせていただくのですが、先ほど、小名さんからもお話があったように、スポーツ前提で使われている施設の場合は、基本的には転換フロアがあって、その上にコンサート用に養生する形で使わせていただくケースもあります。我々としては、その施設に応じて必要な養生などをするということで、全国のアリーナをお借りしています。 菊地参考人  大事なお話があります。それはどういうことかというと、我々は、何もない場所でもコンサートをするのです。電源が来てなければ、電源車を何十台も持ってきてやります。ステージの地盤が悪いときは、くいを何本も打って荷重を耐えられるようにします。ゼロから全てをするのです。莫大な費用がかかりますので、どのようにして採算を取るのかというと、何十万人が入るライブをするのです。20万人、30万人が入るライブを野外でやった例もあります。  この話を前提にして、竹本委員の話に戻すと、どういうことになるかというと、我々の要望がゼロだとします。例えば、ピンスポットは常設せず、椅子も常設しないとなると、我々はそれらを持ち込んで対応するだけですが、コストがかかるのです。そうすると、どういうことになるかというと、我々はコストがかかるアリーナだと評価するのです。細かくトータル計算をするのですが、何人のキャパで入って、何人分の入場料があって、グッズが幾ら売れるのかといったところが収入です。それから、どれだけ支出するのかといったところを計算するのです。そうすると、あそこの施設は、ピンスポットを上げるのに何時間かかかって、アルバイトが何十人かかかって、時間も幾らかかかるということになります。結局、どうなるかというと、稼働率が下がってくるのです。この話は、利益が出ないかもしれないということと相まるのです。ピンスポットは絶対に置かなければいけないということでもないですし、椅子も絶対に常設しなければならないということでもないのです。ただ、経費が上がり、その分だけ稼働率が下がる可能性があるということです。  それから、もう一つ言うと、東京ガーデンシアターという8,000人規模の音楽専用ライブホールができたのです。完全に音楽専用ですから、椅子もピンスポットも全部常設しているのですが、その代わり使用料が高いのです。使用料が高いけれども持ち込まなくて済むから採算が取れるわけです。そういった収支のバランスを考えながらになりますので稼働率が変わってきます。ですから、もしかしたら我々の要望を取り入れていただければ、その分は経費が安くなり、稼働率が高まってくる一つの要因になるかもしれないということで、基本的には、皆さんがお考えになればよろしいのではないでしょうか。 山本(悟)委員  今の話もそうですが、選ばれやすい施設であることが大事だと思っています。その点でいくと、今、対応しておかなければならないのは感染症対策です。これから造る施設としては、それに対応している施設だと、お金を払ってくれるお客様も、主催者も、施設を使おうとする皆さん方も、中で作業をする人も、アーティストも、使いやすくて、心理的な負担などもないと思います。これからできる大型施設の感染症対策について、皆さん方にとって、心理的な面も含めて、どの程度のウエートであるのか、お聞かせいただきたいと思います。 中本参考人  新型コロナウイルス関係の対策については、冒頭で菊地からも説明がありましたように、我々の業界としては、キャパシティーが50%に制限されている中で、なおかつ、国や自治体の定めるガイドラインに沿って、今、公演を実施していて、検温、手指消毒、足裏消毒の実施のほか、お客様の個人情報をいただいて、仮に感染者が出た場合には連絡できるような環境も整えていています。今後、恐らく新型コロナウイルスのワクチンができます。新型コロナウイルスも収束していき、今後、元にまでは戻らないにしても、我々としては通常の公演を準備していかなければいけないというところで言うと、大人数が一つの屋内に入るので、換気という部分は大きいと思います。もちろん、建築基準法で定められている換気設備はあると思うのですが、SANAA事務所にお伺いしたときには、それ以外に、各諸室のプラスアルファの換気設備を検討しているように伺ったのです。そういった意味では、人が滞留するエリアの換気は徹底していく必要があると考えています。それから、今、チケットも電子化されてきていて、電子チケットに関して言うと、お客様のスマートフォンと連動する形になるのですが、それによってお客様が特定できる形になっています。新型コロナウイルスに限らず、何らかのクラスターなどが発生した場合や、会場内で事故があった場合などに、来場者の情報を主催者がきちんと入れることができる環境になっていて、今後、紙チケットから徐々にスマートフォンなどでの電子チケット化になってくると思います。これによって、我々主催者が購入者に連絡できる環境は、かなり充実してくると思います。将来的には、紙のチケットは必要なくなり、お客様にダイレクトに連絡できる環境が整うと思いますので、そういった面では、何か有事があったときに直接コンタクトが取れる環境が今後できてくると思っています。そういったところで、事後の対応になるかもしれませんが、お客様とのコンタクトが取りやすくなるだろうと思います。 菊地参考人  感染症対策は万全にできます。問題は、冒頭で私が述べたように、50%の入場制限だと、このアリーナにかかわらず全国のアリーナが使われません。2024年には新型コロナウイルスのワクチンもあって、新型コロナウイルスによる感染も今のインフルエンザ並みになっているとすると、今、中本が言ったような対応の仕方になります。常に準備しつつ実施される形になると思います。 中本参考人  あとは、コンサートの入場制限をなかなか緩和していただけないという問題があります。コンサートですと、お客様が一緒に歌うような行為や大きな声を上げるような行為などで、飛沫の飛ぶところが大きいのです。クラシック音楽コンサートなどは、声が出ないので、キャパシティーが100%に緩和されているのですが、我々が行っているようなコンサートについても、幾らか入場制限を緩和してほしいというところもあります。今後、このマスク文化がどのようになっていくのかは分からないのですが、アーティストも、お客様とのコミュニケーションが取りづらくなってくると思うのですが、マスクの着用などはしばらく続くということを頭の中に置いて、我々も準備をしていく考えです。 菊地参考人  先ほども申し上げたように、クラシック音楽コンサートは公的には100%の入場でも大丈夫です。でも100%は入れていないのです。特に、今、また新型コロナウイルスの感染者数が右肩上がりになって、第3波といわれる状況ですから、きちんと自主規制しているのです。国が大丈夫だといっても、制限以下の人数で行っています。 高田委員  2点、お聞きします。要らない心配なのかもしれないのですが、私は、先週の土曜日に、デックスガレリアでステージを組んでコンサートを行いました。あまり音を出せなかったのですが、そのときに、我々はアマチュアですから、サンポートから、ワイヤレスの800メガのB帯を2波、割り当てていただきました。ただ、その割り当てていただいた2波が0.125しか差がなく、1波しか使えないのではないかなどといったことがありました。素人がしているのではないかといったような方がサンポートにいらっしゃいました。そういう意味では、あそこはワイヤレスの電波を使う方々が物すごくたくさんいるのです。ホールも3つあり、展示場があり、会議室があり、その上にこの施設が来るのです。この体育館は、どう見ても、音をシールドできるような構造にはなっていないのです。ですから、最近の技術で、アナログからデジタルに代わる技術のようなもので、もうクリアできる状況になっているのかどうか。一般論になりますが、その辺りのことについて教えてほしいのです。もう一点は、これも音響的なことですが、交流エリアには壁がないので、フィードバックが起きにくいといった説明を受けたのです。確かに少し広くなるので、そうなのかとも思ったのですが、そうはいっても外側はガラスですし、それに遮光カーテンがあるぐらいです。それでも、フィードバックは起きにくいし、最近のスピーカーはラインアレイでしっかりしているといったことを言われたのですが、それよりも、壁でしっかりと吸音するほうがいいのでないかと思ったのです。そこで、このような交流エリアがある場合の音響特性について、どのように考えているのでしょうか。その2点についてお伺いします。 小名参考人  まず、B帯に関してですが、私たちが使用するワイヤレスは、今、WS帯になりますので、まず、アリーナで活動する側への影響はないと思います。 高田委員  WS帯でこちらも使っているのですが、その影響はないのでしょうか。 小名参考人  WS帯に関して言うと、確実に事前申請された上で使っていくものなので、今までの経験では、そういった事故が起きたことはありませんが、その周辺で、別のアマチュアの方が、別のB帯などを使用する際に影響がある可能性は否めません。そこに関しては、私も専門家ではないので、何ともお答えしかねるのですが、影響する可能性はあると思います。  もう一点、会場の音響特性に関しても、図面と模型では判断しかねる部分が大きいのですが、私たちの立場で言うと、会場の特性で反射が多い会場もありますし、音がデッドになってしまう部分などがある会場もありますが、それに対応してPAが音をプランニングしています。ですから、この会場が、致命的に音の欠陥があるかどうかは、今、ここでは分からないという状況です。 中本参考人  補足しますと、直線的に音が出て反響するようなものは、スピーカーと反対側、ステージと反対側のところには、図面や模型を見る限り、ないと思われますので、直接的な後ろから来る反響的なものはないであろうということです。SANAA事務所の説明は私たちも受けたのですが、基本的に、跳ね返りをきちんと計算していて、アリーナ内の音が戻ってこないようにセッティングしていて、ヤマハの専門家と話をしていると伺いました。 広瀬委員  いろいろと貴重な話を聞かせていただき、ありがとうございました。  いろいろな要件をお話ししていただき、この資料にもいろいろと書いてあるわけですが、説明のされ方として、香川県のアリーナについては要件を満たしてないところが多いといったイメージでお聞きしたのですが、その中でも、特にこれはやってほしいことというのが、SANAA模型見学による検証報告に書いていることという理解でよろしいのでしょうか。 菊地参考人  冒頭でも述べたように、中四国の中心で7,000人以上の収容人数というのは魅力的です。ただし、制作費がどれだけかかるのかというところはナーバスなのです。これと相まって、使用料を幾らに設定するのかといったところもナーバスなのです。我々が要望を出すとすれば、今、言った、ピンスポットは常設してください、椅子も常に置いていてください、この2点に集約されるということです。 中本参考人  資料を順番に説明すると、新香川県立体育館施工に関するレポートというのが、アリーナに対しての要望というか、こういった環境が整っているといいのだと、理想的なところも踏まえて、SANAA事務所に行く前に作った資料です。SANAA模型見学による検証報告というのが、SANAA事務所を伺って、説明を受けて、その中でもポイントになる部分を課題として挙げた資料です。どちらかといえば、SANAA模型見学による検証報告という資料によるところが、結構具体的であり、今後、修正などがあってもよいのかといった内容になっています。 広瀬委員  私だけが分かっていないのかもしれないのですが、予算に関わる御提案のところで、アリーナ客席用椅子の常設というのがよく分からないのです。可動椅子1,000席とは別にアリーナ用の椅子が常設されるというのがどういうことなのか、よく分かりません。 中本参考人  アリーナのところに、段々とした形状になっている可動椅子があって、それが普段は機材庫に入っていて、コンサートをするときには、ごろごろと出してきて設置するようになると伺っています。さらに、フラットなアリーナにも椅子を並べていくのですが、そこに並べていく椅子が会場には常設されていません。例えば、1,000席の椅子を並べるために、レンタル業者からパイプ椅子を1,000脚借りて、トラックで持ってきて、それを並べて、コンサートが終わったら、それを片づけて持って出ていくことになるのですが、レンタル業者が代わってしまうと、椅子の規格が変わってしまったりすることがあります。会場に同じ椅子があった場合には、レイアウトで、全ての客席間を決めることができるのですが、違う種類の椅子が入ってきてしまうと、消防に非常動線の申請を行う必要があったり、椅子のサイズによって動線が多少変わってきてしまったりといったことが起こります。会場に同じ規格の椅子があって、それを決まったレイアウトで配置できることになっていると、椅子を借りる側としては作業がスムーズになるし、コスト的にも助かるということで要望しました。 広瀬委員  その椅子は、固定されているわけではなくて、必要なときに出してくるというものですか。 中本参考人  そうです。よく宴会場などで、椅子をラックに乗せてごろごろと移動させるようなことがあると思うのですが、あのようなものが機材庫に入っていて、それをごろごろと出してきて、決まったレイアウトパターンがあるので、それに沿って並べていくということです。 菊地参考人  固定されている椅子ではなく、同じ規格で同じ大きさの椅子があると、椅子を置く場所も、面積も、動線も、全部が、毎回、同じパターンになります。でも、椅子がないと、いろいろなレンタル業者から椅子を借りてくるようになり、様々な規格の椅子や大きさの違う椅子があったりと、毎回違ってくると、椅子の配置をゼロから考えないといけません。消防署への申請も変わってきます。そこは、一種類のほうが、使う側にとっても提供する側にとってもベストであり、ウィン・ウィンの関係になるのではないかと思うのです。 広瀬委員  そういった常設椅子を設けると、予算的にはかなり跳ね上がるということなのでしょうか。 中本参考人  会場の設備としてあって、それを我々がお借りするということで、もちろん使用料が発生するのは全然構いません。ほかのアリーナでも、椅子の使用料として適正な価格を設定して、会場の附帯物として提供していただき、我々はそれに対して使用料を支払わせていただくという形になっています。  また、コンサートが想定されていない、幕張メッセなどの展示場には、もちろん椅子はないので、そういったところには、我々は椅子を持ち込んだりもします。椅子がない場合でも、もちろん、それでコンサートができなくなるわけでもないし、借りないということでも全然ないので、そこは安心していただきたいと思います。 菊地参考人  ピンスポットの常設についてもほぼ同じことで、設置してあれば、我々が附帯設備費として使用料を支払うということです。我々が設置しなくて済むということがいいのです。
    中本参考人  諸室についても一部屋借りれば幾らとか会場の電気を使用したら幾らなどといったことはもちろん、我々は、借りたものや使ったものに関してはお支払いをするということで、全国の会場をお借りしています。 大山委員  我々香川県議会は、設計業者の第1次選考の前に、他県にもある同じような施設と競争できるように、できればデザイン中心ではなく、機能面で主催者が利益を得られる施設、ほかの施設で行ったら費用がかかるが、この施設で行ったらこれだけ利益が出るというような施設を目指すべきだという内容の決議文を出しているのです。設計業者を決定する前にも、決定した後で設計業者と契約する前にも、同じような決議文を出しています。先ほど、竹本委員からお話がありましたが、その決議文には竹本委員も賛成しているのです。  他県との競争に勝ち、中四国の中心になって、できれば、全てのイベント会社が香川県の施設はよくて、あそこへ行くと利益が出るのでもっと行こうと思われるような施設を造るべきだという決議文が賛成多数できちんと可決されていますので、我々は、それに沿って、設計が進んでいるのかどうかの確認をしているわけです。ですから、皆さん方に来ていただいて、意見をお伺いしているわけですが、菊地様をはじめ皆さん方が言いたいことは、理にかなったことです。実施設計については取り組んでいる途中ですので、実施設計が出来上がるまでに、今、言われたことが改善できれば、我々は一番いいと思っています。失礼があったかもしれませんが、私どもとしては、そういった御意見はありがたいことだと思っています。我々は決議をしていることを御理解いただきたいと申し上げておきます。  それで、先ほどのトラックのことについてですが、バックから入ってくるということではなく、正面から入ってきて中で転回することが、この会場ではできないということでしょうか。 小名参考人  できるのですが、スペースの効率的な使い方にはなりません。 大山委員  30台ものトラックが来て、1台ずつ入っていき、中で転回していたら効率が悪いので、できれば、バックで入ってきて、そのまま出ていくということが、両サイドから同じようにできるのが一番いいということでしょうか。ということは、入り口のところが道路に面しています。この道路は、公道ですが、そこでガードマンが車の通行をストップして、大きなトラックがバックで入れるように体制を立て直してからトラックが入っていくことになります。敷地内にトラックが転回できるところがあれば一番よかったということでしょうか。  ですから、この設計では、まだ、そういった、うまくできていないところがあります。そうすると、道路使用許可申請などの警察との話や、トラックの進入に対する警備などに費用がかかってしまうという理解でいいわけでしょうか。我々がある程度そのあたりのことを解決できるようにすれば、もっと利便性がよくなるという理解でよろしいのでしょうか。  それから、DUKEさんにお伺いしたいのですが、7,000人が行列を作ります。行列を作ると、その7,000人がどこかで滞留してチケットをもぎりしてもらったり、物販のところで買物をしたりします。我々もコンサートを見に行ったら、そういった光景をよく見ますが、そこに問題があるとおっしゃっていました。この施設は、2階の交流エリアから全ての入場者が入ってくることになっています。できれば、1階のアリーナに関しては、1階のアリーナから入場できることも想定しておいたほうがいいのでしょうか。 玉乃井参考人  それができるにこしたことはないと思います。 大山委員  ただ、現在の図面でいうと、それが厳しいということなので、そのあたりが改良できれば、もっと使いやすい状況になるという理解でよろしいでしょうか。 玉乃井参考人  そうです。 大山委員  それから、先ほども言われたように、ピンスポットに関しては、常設であれば、皆さん方としては、この施設は使いやすいということになるのでしょうか。 菊地参考人  我々は使用料を支払います。椅子にしても使用料を支払います。 大山委員  ただ、自分でピンスポットを持ってきて、それを25メートルの高さまで上げたりといったことを行っている時間があれば、もともと常設していただいていて、それを使わせていただきたいということでしょうか。使用料を払ってでも、そのほうが得だと思うわけでしょうか。 菊地参考人  そのほうが稼働率は上がります。持込みだと稼働率が不安定になります。 中本参考人  高所作業になり、電気工事士という専門職による作業になってきます。ピンの上げ下げなどの作業をすることに関して、万が一の事故などは絶対に起きてはいけないと思いますので、ピンスポットについては常設が希望です。 大山委員  当初、何で交流エリアがあるのかという中で、コンサートを行ったときに、ここで物販などができるという想定を県側やSANAA側はしていたと思うのです。我々もそういった説明を聞いていたのですが、皆さん方の説明を聞くと、リハーサルなどでアリーナが暗転してしまったときには、交流エリアは使えないと判断すればいいのでしょうか。 菊地参考人  集中して話をしているときに、それはないのではないですか。話があるのでしたら、手を挙げてください。よろしくお願いします。 大山委員  交流エリアで物販ができないということは、先ほど、DUKEさんもおっしゃっていましたが、サンポートに物販のエリアを作るか、もしくは、空き地のところに物販のエリアを作るかになります。ただし、雨天など、天候が悪いときには、そこにテントを設置したりと、いろいろな費用がかかってきます。その費用は主催者側が負担することになりますから、そこで利益が少なくなってしまいます。それから、サブアリーナを使うことも考えられますが、サブアリーナの使用料が必要になります。サンポートで行うのであれば、サンポートの使用料が必要になります。そうなってくると、空き地のところに常設のテントのようなものがもともとあれば、悪天候のときでも、ある程度、そこで滞留させたり列をつくったりすることが可能なのでしょうか。 玉乃井参考人  多目的広場を利用させていただければ、通常のテントを、こちらの都合のいいようにレイアウトします。 大山委員  それから、1階と2階で、今度は退場するときについてです。7,000人が退場するときに、1階の人たちは2階まで上がってきて、あのルートから退場するようになれば滞留が起こるということですから、それについても、1階の人は1階から、2階の人は2階から退場するのが一番望ましいということになっています。それから、入場のときも、1階への人は1階から入場すればいいということですので、できれば入替えということになるのでしょうか。1か所にまとめたほうがいいのでしょうか。 玉乃井参考人  可能であれば、分かれたほうがスムーズな入場ができると思います。 大山委員  そうすると、この図面で考えてみると、それができるとしたら、フラットなトラックの搬入口か、もしくは、多目的広場側に小さい出入口があるのですが、そこでは狭過ぎるのでしょうか。 玉乃井参考人  そうです。 大山委員  トラックの搬入口のところから入るのが一番よくて、人数的にもたくさん入れることになるのですが、トラックの搬入口は道路に面していて、道路に行列ができることになってくるので、現状では、ここから入るのは難しいという判断になってくるわけでしょうか。その辺りがもう少し改良できれば、そこからも入れることになって、スムーズな入退場が可能になってくるということでよろしいのでしょうか。 玉乃井参考人  トラック搬入口は、退場時は使えますが入場時は難しいと思います。 大山委員  ただし、搬入口から出てくるときは、車も通行していますから、ガードマンがそこにいて、事故がないようにすることが必要になってきます。そういった場合の人件費は、主催者側が負担するようになるわけですか。 中本参考人  はい、そうです。 大山委員  分かりました。  3月まで、まだ実施設計の時間が残っていますので、我々がある程度解決して、皆さん方に提供できるようになれば、使いやすくなり、使っていただけるということで、思っていてよろしいのでしょうか。 中本参考人  魅力的な施設になると思っていますし、広島グリーンアリーナの件を御存じなのかどうか分からないのですが、広島グリーンアリーナの使用が制限されつつあり、中四国でこの規模のアリーナというのは、我々としては、うれしいニュースになると思います。 大山委員  それから、50デシベルの音漏れについてですが、私たちがイメージとして残っているのは、安室奈美恵さんが沖縄県で最後に行ったコンサートのときのことです。テレビ中継も行っていましたが、皆さんが音漏れを少しでも聞こうと思って会場の周りに集まっていましたが、あの状況を見ていたら音漏れはしてこなくて、全然聞こえなかったという状況でした。そのぐらいのレベルになれば、皆さんとしては使いやすいということになるわけですか。  今の想定では、50デシベルぐらいの音が出ることになっていますが、例えば、ガラスの厚さを厚くして、音漏れが50デジベルよりも、もっと低くなるほうがいいということが、使いやすいということになってくるわけですか。 中本参考人  音量制限をつけられるほうが厳しく、例えば、100デシベルの音までしか出してはいけませんといった制限がつくほうが、我々としては使いにくいと思います。例えば、105デシベルとか110デシベルの音を出して、外に音が漏れていたとしても、それは何らかの形で人払いをしていただくことで対応できると思うのですが、我々としては音量制限に上限がついてしまうことのほうが厳しく、演出面も含めて、できれば避けたいと思います。 大山委員  いろいろと質問させていただき、ありがとうございました。  皆さん方の御意見ができるだけ反映できるように我々も頑張って、そして皆さん方に使っていただけるものに仕上げていきたいと思っています。今後とも御指導のほど、よろしくお願いします。 香川委員  先ほどは、話をしていて申し訳ありませんでした。といいますのも、私は、初めてこの委員会に参加していて、ピンスポットという言葉の意味が分からなかったので聞いていました。ピンスポットをつけるとすると、何か所ぐらい必要になるのでしょうか、1か所だけでいいのでしょうか。その辺りをお伺いしたいのと、もう一つは、今までに、体育館だけ、あるいは、交流施設だけというのではなく、併用している施設でコンサートなどを行った経験はあるのでしょうか。そういった経験があれば、どうすればいいのかといったことの参考にさせていただきたいので、お伺いします。 小名参考人  今、お伺いしているキャットウオークの、ピンスポットを設置する場所に関していうと、先ほどの図面でも左側にステージを組む状態になっていて、コンサートで使う場合の8割、9割がこの形になると思うのですが、これに対応した位置になりますので、現在、設計されている場所にピンスポットが4台ないし5台程度設置されていれば、利便性は高いと思います。  センターステージでツアーを回るアーティストもいるのですが、それは結構まれです。そもそも、外周に仮設で設置をする用意をしていると思います。 中本参考人  それから、スポーツというよりもエンターテインメントなど、多目的で使われているホールとして、利便性も含めて使い勝手がよく、我々が代表的に使っているのは、横浜アリーナなどです。横浜アリーナは、キャパシティー的には少し大きいのですが、客席の形状などは近いと思っています。先ほど、床面の話もありましたが、横浜アリーナは、トラックが入れる養生になっていますが、スポーツの興業も多数行われていて、バスケットやボクシング等も行われていますので、類似性はあると思っています。横浜アリーナに限らないのですが、あのような多目的なホールでは、なおかつ、トラックが入ります。設備的にいえば、お話のありました椅子やピンスポットも常設で置かれているので、参考にするのでしたら、我々のコンサートの立場で言わせていただくと、横浜アリーナさいたまスーパーアリーナのような会場が一番参考になると思います。 氏家委員長  予定の時刻を過ぎていますので、最後の質疑等をお願いします。 広瀬委員  先ほどの大山委員からの質問に対する回答で、中本さんが、魅力的な体育館になるといった話をされました。いろいろと御指摘いただいたことを解決すればということかもしれませんが、この体育館が持つ、ほかの施設にはない魅力などについて、どのように考えているのでしょうか。 中本参考人  まず、競合する会場やアリーナなどがあまりないところが一つです。四国に在住する方々が動くとしたら、香川県に集まってくるでしょう。今、四国にある既存のアスティとくしまや愛媛県武道館は、どちらかというとコンサートを行うことが目的ではない施設であったりするものですから、我々としては、利便性も含めてよくなるだろうということと、それから、特に四国の方々のアクセスに関していえば、立地的にも設備的にもよくなるだろうということです。それから、先ほど、広島グリーンアリーナのことを申し上げましたが、あまり同規模の競合する会場がありません。アーティストとしては、全国の中でも、お客様やファンがいるところには行きたいという要望がありますので、広島グリーンアリーナが使用制限がかかって使えなくなってくると、中四国の中で唯一の存在になるのではないかと考えています。  関西などからのアクセスもそれほど悪くはないと思うのです。逆にお伺いしたいのですが、観光目的なのかどうなのかは分からないのですが、四国に来る場合というのは、中国地方の方のほうがいらっしゃるのでしょうか、関西からお客様が来るケースは多いのでしょうか。 大山委員  2018年の外国人旅行者受入数ランキングで日本は第11位で、海外からもお客様が来ています。 中本参考人  例えば、東京や大阪での公演のチケットがすぐに売り切れてしまう。そうなると、チケットが取れなかったファンの方々は、次に、自分のいるところから近いところに移動しているのです。例えば、関西に在住するお客様などが四国に向いてくるような想定はできるのでしょうか。 岡野委員  東京からでも飛行機であれば1時間程度で来ることができますから、どうしても見たいというお客様は関東からでもいらっしゃると思います。 中本参考人  この施設は駅前にあるので、アクセスはいいと思います。 氏家委員長  以上で、参考人に対する質疑を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 氏家委員長  御異議なしと認め、質疑を終局いたします。  この際、参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。  参考人の皆様、本日は、お忙しい中、本委員会のために御出席をいただき、また貴重な御意見をお聞かせいただき、心から感謝いたします。  本委員会としては、ただいまの御意見を、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと存じます。本日は、誠にありがとうございました。  暫時、休憩いたします。  3時10分に再開いたします。  なお、電鈴による再開の報知はいたしませんので、適宜、御参集願います。  (午後2時57分 休憩)  (午後3時10分 再開)  (工代教育長、資料説明) 氏家委員長  これより、質疑を開始いたしますが、県立体育館の整備等に必要な事項に限り、本日の参考人の意見も踏まえた質疑をお願いいたします。 岡野委員  今、委員長からもお話がありましたように、この委員会に先立ち、参考人からいろいろと話を伺い勉強したところですが、皆さんも、どこか別室で御覧になっていたとお伺いしています。その内容も含めて、2点お伺いします。  1点目は、一番おっしゃっていた遮音性についてです。遮音性についてかなり言及されたわけですが、説明資料にもありますように、もともと55デシベルまでは許容ということでよろしいですか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  遮音の性能の設定については、説明資料の4ページの外壁のところに書いています。4つ目ですが、騒音対策として、西側のマンションがある辺りについては、環境基準は60デシベルですが、さらに引き下げて55デシベルを充足するように、それから、アリーナの周辺については、敷地境界に一番近いところになると北側になりますが、アリーナの北側の一番近い敷地境界で60デシベルを遵守するということで設計を進めているところです。 岡野委員  環境基準や住宅地基準では、55から60デシベルで可なのかもしれないのですが、本日、お話を伺ったところによりますと、アーティストたちが一番嫌うのが音漏れだとおっしゃっていました。そして、一体型であるため、例えば、普通のように、入ってさらにまたドアを開けてというように二重になっていないので、音に対する不安はかなりあるということだったのです。そして、その中でも、中に入ってもう一個壁であるとか、そういった何らかの仕切りがあるほうがいいという意見がありました。それは音に関してもそうですし、セキュリティーにしてもそうなのですが、それについては、どのように考えているのでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  遮音性能については、当初からこの委員会でも、観客席の背後に壁がないことによる課題の一つということで御指摘をいただいています。私どもとしても、これについては、設計の中でより具体化できるよう対応してきたところでして、それぞれ、天井やガラスや数値化されているものをもって、設計を進めているところです。 岡野委員  それは十分理解していますが、先ほども言いました環境基準値や住宅地基準の55から60デシベルであればいいという話ではなく、音漏れがすることが、とても使いにくい体育館、アリーナだとアーティストが思う可能性があるのではないかという御指摘であったわけです。  それで、55から60デシベルがどんな音かというと、本日頂いた資料によりますと、外にいて楽曲が何かが分かるぐらいということでした。幾つかそういったアリーナがあるそうで、そして、後から音量制限がかかることが一番困ると話していました。アーティストは105から110デシベルぐらいまで、中で音を出す可能性がありますが、音量制限がかかり90デシベルでしてくださいといったことになると、まずアーティストは使わないだろうという話もありました。そういう意味で、この音漏れに対して、もう少し敏感になる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  音漏れの問題も承知していて、今の設計の状況を申し上げますと、他のコンサートの事例の実測の中で、大きな音を出している期間中の平均が大体100デシベル弱で、それから、最大では107デシベルと実測されています。そういった中で、環境基準の話になりますが、騒音規制法では上下5%をカットということで、私どもとしては、仮に101.5デシベルで置いて、北側のアリーナの一番近いところで、44デシベル低減された57.5デシベルが、数字上出てきています。さらに、これに遮光カーテンを引くことや、全部ガラス壁ですので、不透明壁が入ることによって密閉性がさらに強まってくると考えていて、音漏れも考慮しながら進めているところです。  あわせて、音漏れについては、サンポート地点で外の実測もしていて、平均的に午前中の10時から夜の9時ぐらいまでの間が50デシベルの後半で、60デシベルに近い暗騒音、車や船といった音があると聞いています。音楽は聴こえても明瞭にどこまで聴こえるかというと、そういった暗騒音もありますので、明瞭には聴こえない状況だと、現在、考えているところですが、よりさらに設計を進めて、そういった音漏れも含めた考えで取り組んでいきたいと思っています。 岡野委員  私も音の専門家ではありませんが、興行主やアーティストが一番懸念しているのがそこだということです。それで、より安全に、そこに対する補足として、私たちが回答していくとすれば、入って何らかの壁がもう一つあるほうが、かなり合理的だと思いますので、その意見は伝えておきます。  そして、2点目は、今、お話がありました、カーテンについてお伺いしたいと思います。検討中というところもありますが、ガラス面が多いということで、暗転するために全面カーテンを引くというお話でした。私の実家はカーテン屋ですので、それだけカーテンを使ってくれるのはありがたいのですが、メーカーに問い合わせたところ、遮音かつ遮光のカーテンがあるわけで、遮光の部分は大丈夫ですが、遮音の部分は、そう期待ができないのではないかとメーカーの方自身がおっしゃっているのですが、それについてはいかがでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  先ほども申し上げたように、カーテンによる遮音の部分については、まだ数値として確認ができていないところで、そこについては、また改めてよく検討していきたいと思います。 岡野委員  そのカーテンについてですが、ガラス面が多いということで、太陽光によるカーテンの劣化が、遮光や遮音に与える影響が大きいとメーカーの方が話をしています。太陽光が当たれば当たるほど、カーテン自身の劣化が進み、色が枯れるなどといったことは知っているわけですが、それによって、遮光や遮音の精度もどんどん劣化していくということです。これだけの大きい面積で、天井も高いです。カーテンについて、どれぐらいのコストやサイクルを考えているのでしょうか。 安藤営繕課長  今、御指摘いただいたカーテンの遮光性能については、きちんと設定した上で検討するのですが、その後の紫外線等による影響の劣化については、今の段階では十分調べていません。今、御指摘いただき、こちらとしても、その後のランニングコスト等も含めて重要な検討事項だと思っていますので、改めて確認した上で検討、対応したいと思っています。 岡野委員  カーテンによる暗転を進める中で、説明資料の6ページにもありますが、一体型であることの弊害がもう一つあり、暗転したら全部が暗くなってしまうということです。交流スペースも真っ暗になってしまうことがイメージできないのです。これも、先ほど申し上げた仕切りさえあれば、カーテンによる暗転をしなくてもいいわけで、交流エリアが、もともと想定していた物販などに使えることになります。今の状況で、全部を一度にカーテンで暗転してしまった場合、交流エリアは使えないことになりますし、物販もできないことになります。そういう意味で、この一体型がどうなのかということと、全面ガラス張りがどうなのかということの2点が課題であると指摘しておきます。 近藤新県立体育館整備推進総室長  背後に壁を設けていないことの狙いについては、これまでも説明していますが、コンサート時のエコーはできるだけ残響時間が短いことが求められています。スポーツ大会では、歓声やホイッスルなどがいろいろと聞こえるように、一定の残響時間がある方がよいです。うまくバランスが取れるように大空間で調整するといったことなど、一体化のために壁がない形で設計を進めているところです。  今の御指摘についても、これまでにもいただいていて、十分承知しているので、具体的な数値や分析を通じて、整理していきたいと思っています。 岡野委員  私も、今までの委員会のやり取りを存じ上げているわけですが、今回、参考人から話を聞いて、より一体化ということへの疑問と、ガラス張りということ、それが音に与える影響、騒音など外の音に与える影響が課題だと思ったわけです。  皆さんも話を聞いていれば分かったと思いますが、この四国で7,000人規模のアリーナができるということは、全国的にもすごく注目されるでしょうし、皆さんがいいものを造りたい、参考人もいいものを造ってほしい、私たちもいいものを造りたい。そこは共有できる部分ですので、今後、引き続き、いろいろなものを共有して、さらに議論を深めていきたいと思います。 大山委員  今、岡野委員からも話がありましたように、我々は、当初から、利便性をきちんとして機能性を高めるものを造るべきだということで、決議文を2回出しています。これは全会一致で決議されたもので、その方向は今も議会として変わらないということになります。  あなた方は、この設計がベストだということでずっと続けてきたわけですから、これを進める前提で、我々は、今、質問に入っています。ですから、この設計を潰そうなどといった意図で質問しているのではないことを御理解いただきたいということを、最初に申し上げておきます。  先ほど岡野委員が言いました遮音についてですが、50デシベルぐらいの音が漏れると、みんながそこへ寄ってきます。例えば、安室奈美恵さんのラストコンサートが沖縄で行われました。そのときも、周辺にたくさんの人が集まってきて、音漏れがないか、少しでも何かを聴き出そうといった人であふれ返ったのです。そういった有名アーティストが来た場合に、アーティストが一番嫌うのは、50デシベルぐらいだと、楽曲がある程度聴こえてしまうことです。そうなってくると、それを録音すると著作権などのいろいろな問題が生じるのです。それから、リハーサルのときに音漏れがあると、サプライズや、こんな曲を歌うのだとか、そういったことを先に知られることをアーティストは一番嫌うということです。そのため、もっと低いデシベルに設定すべきだというのが、アーティスト側の主催者の意見だと思っています。  先ほども岡野委員が言ったように、音を小さくするために壁を作ればいいのですが、それを作らないという前提でいき、ガラス張りについても、このままの設計でいくということであれば、現在のガラスの厚さはどのぐらいで設定しているのでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  メインアリーナのガラスの壁については、8ミリメートルと8ミリメートルの合わせガラスで設計しています。一部大きさ等で10ミリメートルのところもありますが、基本は8ミリメートルと8ミリメートルの合わせガラスです。 大山委員  8ミリメートルと8ミリメートルで16ミリメートルぐらいのガラスで本当に大丈夫なのでしょうか。ある程度、安定性を考えて、先ほど言った音漏れがせず、アーティストに選んでいただけるように、利便性や機能性をきちんと確保するということであれば、もう一度、設計者と話をして、もう少し厚くすることでデシベルが下がるのであれば、そのように対応していただきたいですし、そのようにするべきです。まだ、これから実施設計を進めていくのですから、そのあたりを柔軟に検討課題の中に入れて、設計者と話合いをするということなのか、それとも、決まっていることなので、これでいくということなのか、確認しておきます。 近藤新県立体育館整備推進総室長  先ほどの参考人招致でいただいた御意見や、今、委員からいただいた御意見を設計者に伝えた上で、相談していきたいと考えています。 大山委員  それから、もう一つは、利便性や機能性の部分で、スポットライトについてです。スポットライトは、アーティストや主催者としては常設が一番好ましいとのことです。これは何トンというものであり、危険性が伴うということと、それを設置するのに時間や費用がかかるということです。これを、ある程度、常設してくれれば、使用料は払うと主催者側が言っているわけです。使用料でいつかは回収できるわけですから、使用料を払うのであれば、最初からスポットライトを設置しておくべきではないでしょうか。それで、後から使用料である程度、元を取っていけばいいのではないのかと思いますが、現在は、そのような設計ではないとのことです。その辺りが大きな問題だと指摘を受けましたが、そのことについて、どのように考えているのでしょうか。今後、これも、いろいろな検討課題の中に入れていただけるのかどうか、確認しておきます。 近藤新県立体育館整備推進総室長  ピンスポットについては、今の私どもの考えとしては、光源の強さや大きさなどいろいろな種類があり、また、ほかの施設でも備えているところはあるのですが、古くなると新しい設備にするということで、あまり使われていないといったことを聞いた上で、常設はせず、利便性のためにキャットウオークを広げて、設置できる場所は確保しておき、さらに、そこにすぐにモーターでつり上げられるように、つり点もしっかり確保するといった対応を考えていたところです。  そもそもそういうことでしたので、ピンスポットについて、あまり詳しく調べられていないところもありますので、これからきちんと調べていきたいと思っています。 大山委員  今日、きちんとした意見が出ましたので、できれば最新型のもの、今後、20年、25年のスパンで考えられるもので、最大公約数で、これであればみんなが使えるだろうというものをきちんと設置しておくべきだと思いますので、その辺りも十分に加味していただきたいと思います。  それから、トラックの搬入についてです。トラックの搬入を2か所予定しているのですが、道路に面したところからトラックが搬入されるようになっています。あなた方としては、前向きに入ることを想定して2か所だったと思います。しかし、実際に使う人からすると、アリーナの中がそれほど広くないので、前向きに入って、切り返しながら出ていたら、次の車両が入ってくるのに時間がかかってしまうとのことです。ですから、前から入るのではなく、バックで入ってきて、その次もバックで入ってくるようにすれば、一度に何台も入れて、荷物を降ろせるということです。そのほうが効率はいいわけですが、バックで入るようにしたら、一々、道路許可申請を行ったり通行を止めたりすることになるので、少し使いにくいというのが、参考人の意見でした。  ですから、道路との設置面に、トラックが反転できるスペースをつくる、もしくは、コストがかかり、少し現実的ではないと思うのですが、トラックが回転できる回転台を置くなど、ある程度改良できるように、もう少し設計者と打合せをしていただきたいと思います。7,000人ぐらいのコンサートになってくると30台ぐらい、少なくても20台ぐらいのトラックが来るとの話なので、これらがスムーズに入れると時間の短縮になり、借りる時間も少なくなってくるということです。  また、夜中に使うと言っていました。夜中に使うということは、周辺にトラックの騒音、ピィピィというバック音、オーライといった声などが周辺のマンションに対して大丈夫なのかということになってきます。その辺りについてはどのように考えているか、お伺いします。 近藤新県立体育館整備推進総室長  一番大きな11トントラックで、長さ12メートルまでとしています。メインアリーナに入るにしても、最初は何台か入って旋回できると考えていますが、お話がありましたように、資材を降ろしていくと、旋回スペースがどんどん減っていくということで、最初はできていても、途中からそれができなくなると思っています。その際に、トラック搬入路は入り口と出口とで、東側の南側と北側に1つずつありますが、おっしゃるように、頭から入れてバックで出る、北側のほうは、バックで入れて頭から出るというやり方にならざるを得ません。そうしないと、道に中央分離帯があって、搬入の角度的にもこれしかできません。片方から入ってバックで出るのは可能だと考えています。  ただ、お話にもありましたが、さらに30台をいかに効率的に搬入できるかについては、30台の待機場所や、横づけできる場所はどこにあるのか、そこからどのような利便性があるのか、トラックがより自由に効率的に入れないかなどについては、さらに相談、協議しながら考えていきたいと思っています。 大山委員  その辺りについては、利用者が利用しやすいよう、ある程度、設計の見直しなども含めて、対応をお願いします。  それから、次は、入場、退場についてですが、7,000人、ボクシングなどであれば1万人が一同に行列を作るようになります。音楽関係者が一番もうけになるのが物販なのですが、先ほども言ったように、当初は交流エリアで物販ができると思っていたのです。あなた方はその想定をしていましたし、我々もそのように聞いていました。しかし、ここは使えません。暗転してリハーサルをしますし、音漏れもしたらいけないですし、中にいる人に聴こえてもいけないので、そんなことはできません。ということは、外側に物販エリアを作ることになってきます。そうなってくると、南側に空き地がありますので、そこにテントを建てて、物販エリアにすると思います。ただし、これは、雨が降ったり、強風のときなどは不便になってきます。その辺りについて、今後、どのように利便性よく考えるのか。それを補完するためには、サンポートのビルの1階部分を使わせてもらい、そこに物販を置くとか、サブアリーナに物販室を置くなどといったことも考えなければならなくなってきます。普通の利便性の高いアリーナであれば、そういった物販エリアもきちんと設けるのですが、別途借りなければならないとなれば、負担する費用が増え、コストがかかるようになってくると思います。その辺りも考えて貸していかないと、メインアリーナコンサートを行う場合に、サブアリーナでスポーツ大会を予定していると、サブアリーナは使えません。その辺りも考えた構造にしておく必要があると思います。  それから、DUKEさんの話では、入り口がもう少しあったほうがいいのではないかということでした。本当は1階のトラックの搬入口が広いので、そこから1階部分の人たちがどんどん入っていければ一番いいのですが、道路に面しているため、道路に客を並ばせるようになるので無理になってきます。多目的広場側に、狭い入り口のようなものがあるので、そこから1階に入れていくことを考えるのかというと、これも難しいということです。もう少し全体の入り口を広く設定することも必要になってくると思いますが、その辺りを含めて入退場のところが、ほかの利便性のいいところと比べると、競争力に欠けるといった意見がありました。その辺りについては、どのように改善するつもりでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  物販についてですが、コンサートを行う場合、物販は重要であることはお伺いしているところですが、その場所については、本日も話が出ましたが、多目的広場は3,500平方メートルほどで、有効なところです。施設の中でいえば、上がっていったところにあるエントランス広場の平らな屋根があるところで800平方メートルぐらいあり、これが近いところです。それから、DUKEさんも話していたシンボルタワー1階のデックスガレリアは、屋根があり600平方メートルあって、その横の、完全に密閉された貸し展示場は400平方メートルぐらいあります。それぞれ使えると思っていますが、エントランス広場を除くと、基本的にはお金が要るところです。エントランス広場をどうするかはまだ決まっていませんが、そのように考えていて、それぞれ予約も必要ですが、コンサートの日程は決まるのが早いので大丈夫だと思っています。そういった中で、さらに利便性が高まるように設計上どういう形でやっていくかについては、さらにいろいろと相談し、協議してやっていきたいと思っているところです。
    大山委員  これは設計上の問題になるのですが、入り口についても、もう少し改良したほうがいいのではないかと思うのですが、その辺りについては、どうですか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  今の入り口は、説明資料の図面の2ページでいうと、スロープを使って、歩行者専用通路で2階に上がったエントランス広場の東側に確保しています。これは11扉で、幅は20メートルぐらいあります。私どもとしてはこれで、近隣に比べると確保できていると思っています。さらに、周遊通路を通ると、東側の北東と南東にも、10メートル幅の入り口もあるので、大丈夫だと思っていたのですが、本日、それでも狭いのではないかといった話があったので、それについては、設計者に伝えて、相談していきたいと思っています。 大山委員  その辺りについては、利便性がでるようにしていただきたいと思っています。  音楽関係の人の意見としては、その辺りがきちんと担保できれば、ここを使いたいということですので、いいものを造ろうではありませんか。ですから、皆さん方も、よろしくお願いします。  それから、技術的なことになるのですが、H鋼でずっとあの広い屋根にやっていきます。一番上に換気用の窓を何か所か開けます。それは自動開閉になっていると思います。しかし、この自動開閉は、ほかの施設でもあるのですが、よく故障し、水漏れします。そうなってくると、後で後年度負担がたくさんかかるので、そうならないように、1か月に1回や何週間に何回など、常にメンテナンスをしなければいけません。しかしながら、あの大きなドームに、メンテナンスのたびに、一々足場を架けて、一々はしごを架けて、そういったことをやっていたら、効率的に悪いと思うのですが、その辺りについては、どのように考えているのでしょうか。 安藤営繕課長  換気窓については、先ほど、コロナ対策のところで説明したとおり、メインアリーナに加えて、サブアリーナの方も設置するということで、添付図面の3ページに断面等をつけています。  雨漏りについては、大山委員から、かつてより、弱点になるので十分に注意してくださいといった御指摘もいただいていて、我々も、施工実績のある間違いのない工法ということで、今、検討を進めているところです。その上に、現実のメンテナンスについてきちんとできるように、イベントの機能性との関係もあって、キャットウオークをかなり張り巡らすので、キャットウオークから屋根に上がれる点検口を1か所設けて、常に足場を架けるのではなく、そういった形で上がれるような点検口からのルートを確保して、点検できるようにしていきたいと考えています。  キャットウオークは、屋根の一番上の端のところに、歩いていける常設の足場を作っているもので、そこで、イベントのときはつり点をつる作業をしたり、そこからスピーカーをぶら下げたりします。ハッチを開けると上に上がれる出入り用の穴を一つ作って、そのほかの並びが、全部、換気用の窓になる形で考えています。 大山委員  H鋼をずっと据え付けていくということです。ほかの部分でも、そういったところはたくさんあるのですが、一番問題になるのは、H鋼で柱があって、そこの下の部分にごみがいっぱいたまることです。それを3万平方メートルに近いところにするのです。そうなると、H鋼の下の部分のごみを、一回一回、メンテナンスするのに莫大な費用がかかってくると思いますが、その辺りについては、どのように考えているのでしょうか。 安藤営繕課長  実際にそのような建物はあって、何らかの対策は取られていると思うのですが、そこは勉強させてください。今のところ、そこまで思い至っていませんでした。 大山委員  一番大事なのは後年度負担です。指定管理者を雇うにも、指定管理者に、あなたの予算でやってくださいと言っても、それを指定管理の予算の中に入れてくれればいいのですが、それだけの予算をきちんと取れるのでしょうか。そのことも、ある程度、頭に入れて設計者と打合せをしないといけません。デザインだけで考えていてはいけないと思います。  それから、光の反射を防ぐために塗装仕上げにすると言っていますが、幾ら塗装したとしても、白色や明るい色であれば絶対に反射はあるのです。ですから、何色にするかという問題になってきます。黒にすると、温度を吸収したり、外から見たらどんよりとした建物になったり、せっかくきれいなドーム状にしているのに、どう考えても、白色に近い明度の高い色にする必要があると思うのです。そうなっても、塗装で光の反射を軽減できると思うのですが、それについては、どのように考えているのでしょうか。 安藤営繕課長  塗装については、委員御指摘のとおり、黒過ぎるのは省エネ上、適切ではありません。一方、明るいと効果が低減するということで、バランスを見ながらいいものにしていくということしかありません。塗装の色ですので、逆に言うと、最適な色を選び得るわけですから、そこはきちんと考えて検討したいと思います。 大山委員  そこは大事なところです。これもまた、後年度、いろいろな問題を引き起こしていくことになります。これはどう考えてもデザイン優先ですから、そのデザインで大きく後年度に負担がいかないように、できるだけきちんと考えて設計者と打合せをしていただきたいと思います。  それから、換気を大分増やしていますが、例えば、それぞれの控室に換気がありますが、これは自動で換気窓を開けるようになっているのですか。それとも、よくある、くるくると回して開けるようになっているのでしょうか。 安藤営繕課長  機械換気のほうは、ある程度、機械的に処理しますので、温度の状況を見ながらですが、実際に開ける窓のほうの話だと思います。作業的には、開ける際に、ボタンやスイッチなどで操作できる形を考えています。 大山委員  手でくるくると回すわけではないのでしょうか。 安藤営繕課長  基本的に常時使う窓については、そういった物すごく労力がかかるものではなく、簡単に操作できるものを考えています。 大山委員  今、新型コロナウイルス感染症対策で、十分に換気をしなければならないということで、相当増やしています。それについては、どのような仕様を考えているのでしょうか。 安藤営繕課長  これについては、自動的にできる形で対応したいと思います。 大山委員  それには網戸がついているのですか。というのは、虫がどんどん入ってくるので、虫の対策をしなければならないということです。それから、入った分について、今度は、廊下部分にその換気をまた出す設計になっていますが、本当に効率よく、そのような換気ができるのでしょうか。廊下部分のところまでと思うのですが、それについては、どのようにお考えでしょうか。 安藤営繕課長  網戸については、図面に明記していませんが、場所的に必要だと思っており、虫対策については対応しなければならないと思っています。  それから、換気についてですが、一度、更衣室などの部屋の中に入った換気を、さらに廊下側に抜くところですが、ここについては、建具の下に何らかの空気層を設けるか、あるいは、壁の部分に換気口を設けることによって、あとは、この廊下は、エントランスロビーの辺りにつながっていますので、この辺りを含めて、入り口と出口をきちんと作ることができれば、気圧差で空気は流れていくと考えています。 大山委員  そのようにうまくいくのかどうか、その辺りについて、我々にきちんと説明できるようにしておいてください。  それから、図面の9ページの、交流エリアサブアリーナの外周のところに青い線があります。ここは、温度の調節をしたりする吹き出し口になっていると思うのです。サブアリーナのほうは、長い青い部分が、南北の両サイドにあります。しかし、メインアリーナになると、交流エリアの上側、北側に青い部分があるのですが、下側、南側には吹き出し口がありません。これはなぜでしょうか。 安藤営繕課長  交流エリアについては、まず北側は、窓際に長い直線があって、ここでは、幅の広いスリットのような形で下から吹き上がります。それから、同じ交流エリアの北側でいうと、観客席の切れ目、北側の交流エリアの観客席側から上向きに矢印が出ていますが、これは、観客席の一番上の段から交流エリア側に向けて吹くような風向きになっています。北側はこういった形でしています。  南側にはないという御指摘でしたが、南側は、会議室の方の上から交流エリア側に吹く形での吹き出しを、この図面でいいますと、会議室7、6と書いているところから出ている矢印の方向で吹く形で、同じような性能の確保をしています。 大山委員  会議室のところから吹き出すようになっていますが、これは容量的に、最終的には足りないと思います。ある程度の吹き出し口がこちらにも要るのではないかと思いますので、また設計者ときちんと打合せをして、追加するのであれば、早めに追加していただきたいと思います。会議室から出てくるのと、吹き出し口から出てくるのとでは、温度が全然違います。その辺りが検討課題だと思いますので、また検討してください。検討しているのであれば、足したほうがいいと思います。  ほかにもいろいろとありますが、委員会の時間も過ぎているので、個別のもっと細かいところは、いろいろと打合せをしながらやりたいと思います。最終的には、皆さんにとってよくて、利便性のよいものを造りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げて、私の質問を終わります。 黒島委員  新型コロナウイルス感染症対策で、先ほどの参考人からは換気の話などは出なかったです。音楽をやっているときに、こういった換気口を開けるのですか。開ければ音が漏れますが、それについてはどのように考えているのでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  委員のおっしゃるとおり、コンサートやスポーツの公式競技時などには、遮音の性能や風への影響等を考慮して、開演中や競技中などには、窓や扉を全部閉めることになるのが一般的だと考えています。 黒島委員  それでは、換気口は要らないのではありませんか。何のために一生懸命、こんなばかなことを考えているのでしょうか。単純に考えて、行っている最中は、全て閉めているわけですが、これは、新型コロナウイルス感染症対策になるのでしょうか。何のために、こういった無駄なことばかりしているのでしょうか。前から言っているように、例えば、京都アニメーション放火殺人事件のときのように、壁の後ろへ逃げられたらいいのですが、全部に広がるような設計になっているのを直そうともしません。先ほど聞きますと、30年前にできた横浜アリーナが、いまだに多目的アリーナとしては一番いいとのことです。デザインは本当に単純です。家がすぐそばにあります。それが、いまだに、スポーツもやり、音楽もやり、多目的アリーナで一番機能的ですばらしいとのことです。どうして、そういったことを考えないのか、分かりません。どうして、このようなことをするのでしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  先ほどもお答えしたように、競技中については閉め切りますので、機械換気が基本になります。こういった施設は、機械換気だけで十分な設備を確保し、その能力を備えているところです。ただ、今般の新型コロナウイルス感染症のこともあり、例えば、コンサートなどを再開していくに当たって、換気は、不特定多数の方が集まる中で重要です。各団体のガイドラインでも、定期的に会場空間の扉や窓を最大限に開放した上で、会場の空調設備を利用した換気を行うとか、休憩時間中にはドアなどの開放を行うといったことが書かれています。そういった中で、機械換気に自然換気を加えて、より換気の効果を上げたいということです。 黒島委員  これ以上は言いませんが、扉を開ければいいのです。できる範囲で設備の中で最大限努力して、今、言ったように、クラシック音楽であれば100%、公演であれば50%のキャパシティーの中で、新型コロナウイルスでクラスターが起きたときのことなどを考えると、氏名等を登録できるといったことが、今、望まれているのであって、わざわざ要らないものを造る必要はないのではありませんか。どう考えても、基本的な考え方が間違っています。人間の命を考えるなら、上に逃げたら、どこでも二重の廊下になっているでしょう。この施設には、そういった通路が一つもないのです。煙に巻かれたら終わりです。こんなものを一生懸命造っているのが、どうしても理解できません。デザインもいいが、安全性や機能性をきちんとしてくださいと発注者のあなた方が言えないのはおかしいです。お金を出す施工者なのです。前から言っているように、設計事務所にきちんと県の要望を言ってください。  この設計でこんなものは要りません、天井のものも要りませんと、設計事務所に言ってください。それで、また、お金がかかりますなどといったばかな話はしないでください。 大山委員  先ほど、椅子について聞き忘れていました。可動席が1,000席あります。アリーナでコンサートをするということは、アリーナ部分で1,000席は確保できています。ところが、あとは全部自分で敷かなければならないので、椅子は常備しておいてくださいというのが彼らの希望でした。しかし、今のところ常備することにはなっておらず、自分で段取りしてくださいということです。これは、椅子を置く倉庫室が足りないのではないかと思うのですが、競争力を高めるのであれば対応しておく必要があります。それについても、設計者と話をしてほしいと思います。  先ほど、黒島委員も言っていたのですが、我々がこのように、委員会のたびに問題点を発見して、そのたびに、あなた方が一つずつ解決していくということばかりをずっとやっています。本来は、設計者とあなた方がもっと勉強して、もっと視察して、もっと意見を聞いて、本来はそんなことは既にできていないといけないのです。そこのところが問題だと思いますが、それは結構です。今後、きちんとしてください。  その問題が1点と、それから、控室が少な過ぎるということがありました。今は、EXILEやAKB48、ジャニーズなど、グループでコンサートを回ります。そういった人たちを受け入れたときに、この控室では少な過ぎることが1点です。それから、全部の控室にトイレがないと聞いたのですが、事実でしょうか。 近藤新県立体育館整備推進総室長  椅子について、私どもは、コンサートや大規模な集会については、主催者が利用用途に合わせて、レンタルで持ち込んでいただくことで考えていて、施設側として備えるのは一定の限定された数と考えていました。何でそのように考えたかというと、椅子も用途によって、例えば、横幅も40センチメートルぐらいから50センチメートルを超えるものまでいろいろとあり、実際の材質、肘かけが要る要らないなど、用途に合わせてオーダーが変わることもありますし、コンサートでしたら数千という数の椅子が要るということで、実際に、ほかの施設においても、一部持っているところがあっても、実際はまとめてコンサート業者が持ち込んでいると聞いていたので、そうしていたのですが、今日、さらにそのように言われたところであり、どうしたものかといったところはあるのですが、私どもとしては、そういった考えの下で、これまで設計してきたというのが今の状況です。  それから、控室についてですが、メインアリーナについていえば、トイレについては管理者用のトイレはあり、控室を想定した部屋の廊下を挟んだすぐ前に取っていますが、個室にはないというのが現状です。 大山委員  トイレは、VIPのアーティスト以外の演者、バックダンサーなどであれば、そこまでは要らないと思いますが、メインの人たちはグループ系が多いので、そういった人たちのところには、一々目の前まで行って、人が歩いているところでトイレに入るというのではなく、ある程度、控室にトイレが要ると思いますので、その辺りについても、もう少し考えておく必要があると思っています。  椅子は、肘かけがあったり、広いものがあったりするからと言うのですが、それは施設側の意見を聞いてそう言っているわけであって、コンサート主催者からすると普通のパイプ椅子でいいので設置してくれて、それが使えるのであれば、それを使いますという話です。肘かけが要るとか豪華なものが要るなどというのであれば、それはそのときにリースをしてもらったらいいわけです。最低限このぐらいのものがあればコンサートができるくらいの椅子は準備しておいていいのではないでしょうか。それが主催者側の意見であって、あなたが、今、言ったのは、主催者側ではなく、施設側の意見を聞いたということですので、十分に考える余地があると思っていますので、その辺りについて、よろしくお願いして、質問を終わります。 氏家委員長  以上で、質疑を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 氏家委員長  御異議なしと認め、質疑を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....